第22話

「ねえ、どうやってあの技を生み出したの?」

「幻の剣? ある人から、この技も伝授されたんだ」

「そうかー、幻の剣というのか! きっと、奥義中の奥義なんだろうな。なんたって幻の技なんだろ? ちょっとその刀をここで振ってみてくれないか? ほうほう、心気だな。斬れるはずだよ。だが……今のままでは竜王には到底敵わないだろうな」

「え?! 何故ですか?!」

 俺はリンエインの父親の言葉に驚いた。


「父さん……それより名前……」

「おお。私はリンチェンだ。この竜宮城で娘と一緒に軍師をしている。1000年は生きているが、君のような若者は初めて見たよ。きっと、リンエの良い夫になるだろう。実はリンエは800歳で、その間。ボーイフレンドにフラれまくりの人生だ。でも、君となら上手くやれると思っているよ」

 遠い目をしたリンチェンに俺は即座に頭痛がした。

「ちょっと、父さん?!」

「いや、俺には……」


 俺はあいつの顔を思い浮かべながら苦笑していた。

 リンチェンは俺の表情を読み取ったのか、同じく苦笑してゆっくりと頷いた。


「まあ、若い女性と男性の関係はいつも微妙だからな……。取り敢えず私からリンエをお願いしておくよ。武君」

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水淼の神々 主道 学 @etoo

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