第3話
どうして俺は許婚に1年後まで会うことができないのか。
一人で考えていたって答えは出ないことはわかってはいるけれど、それでも考えてしまうことはあるのだ。
–特に薫に関わることは…
幼い頃は気にしたことがなかったが、薫は妾腹の生まれだ。しかも、無能だった。薫の母は、とても強いお方だった。力を受け継いだ子が産まれたら家の地位が今よりもさらに確固たるものになることを期待されていた。妾腹であるから当主にはなれないけれど、補佐として一生俺に仕えることが薫に望まれていたことだった。しかし、薫には何の力もなかった。力が後天的に現れることなどない。力の有無は生まれた時にすぐに解る。力のあるものは、宝玉を握って握って生まれてくる。どこでその石が作られているのかは不明だが、力が使える理由もわからないのだからそんなものだろう。ちなみに、俺は菫青石を持って生まれてきた。ヨミも同じ石だ。
もともと
俺の許嫁なのになぜ薫が
やっぱり一人では何も解決しないようだ
月が綺麗な夜でした 郁野ゆじあ @yujia_19
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