(17)現代の国産技術で


 強く願う。


 海上都市が欲しい。

 完全な自給自足は必須。余剰を出荷できれば尚良し。

 外部物資を(なるべく)必要としない、二酸化炭素を出さない発電。

 都市から廃棄されるゴミはない。

 海から水(と塩)をとり、排水も浄化されており、塩分濃度も海域と同調させてから。

 住人は5万人から10万人くらい。

 SFの夢物語ではなく、近未来ではなく、現代技術で。

 こんな海上都市が欲しい。


     ◇


 と、願望丸出しで妄想をここまで語ってきました。

 細かいトコロはともかく、大枠は現代の日本が保有している技術でも実現可能で、そして日本という地域性を活かした大義名分もある、と戯言った。


 実際、世界情勢は激変の時代を迎えつつある。

 世界的パンデミックにおける経済的・物流的な打撃。エネルギーや水資源を巡る戦争、2030年そして2050年における強制的エネルギー変革における混乱も予想できる。

 世界バランスが崩れれば、続くは混乱であり、次に来るのは戦争か荒廃か。


 日本はエネルギーを輸入に頼り、自給率4割り以下であるから食料も輸入に頼り、技術大国という過去の偉業に胡坐をかき技術力そのものや経済力が落ちているのに気づかないフリをしている。

 例えば、日常生活において日本人の多くは不便を感じない。

 しかしある日突然に、何かの災害で孤立無援になるとしたら?

 電気はこない。水道も止まる。支援物資はおろか救助もない。備蓄食料もわずかしかなく、そんな状況で何日しのげる?


 これが日本の状況だ。

 世界が平和で、安全に過ごせる内は良い。

 しかし、いったん歯車が狂い、混乱が起きれば、資源のない食糧を自給もできない国は真っ先に滅びる。

 他国の支援? 自分達も困っているのに、身を削ってまで他人を助ける義理はない。

 少し自衛して、庭先で家庭菜園しておこう、と思いたいのが人情だ。

 千早丸の妄想は、所詮そのレベルでしかない訳で。


 私は食料に困らず、水に困らず、エネルギーを自活し、真夏でもクーラーなしで過ごせた40年ほど前の気候が欲しいだけ。

 そんな国を、自国の技術力の大半で実現できる、その可能性がある。


 でも、やらない。


 環太平洋火山帯に乗り、4枚のプレートがひしめき、温泉と同じに火山も地震も山盛りで、台風や長雨で水害に苦しみ、海は時にあふれて、そして煮え始めている。

 災害大国・日本国。

 その現状に慣れすぎて、鈍感な思考停止になっている日本人。


 ケツに火がついてからでは遅い。

 畑に種をまいても収穫は数ヶ月先で、現状は収穫前に畑すら失ってしまいかねない。

 危機感を持ち、せめて5年後くらいまで想像する思考力と知識を持て日本人!


 切に、そう願う。


     ◇


 まぁ、千早丸は妄想しか考えていないが(←台無し)

 諸々色々を書き散らかしましたが、ここらで打ち止めです。

 ここまで長々しい妄言にお付き合い下さり、ありがとうございました。


 いつか皆さまの、私の、夢が叶いますように。



【 了 】


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

海上都市を目指しましょう 千早丸 @nazo-c01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ