圧倒的筆力、不穏な空気を漂わせる先輩。丁寧に積み上げられた状況の描写。スプラッターが溢れ、そう言った動の恐怖は、どこか恐怖でなくなっている人には是非読んでほしい。冷静な主人公の視点から、静の良さを思い起こさせ、極上のホラーを味合わせてくれる。また、生きている人間が怪異を認識していると、どこか陳腐になってしまう。そんなものが、商業作品でも溢れる中、不気味さを損なわずに書き切れている事に脱帽。おすすめ!こう言う作品が、もっと増えてほしい。
先輩の提案で心霊スポットに行くことになった不良たち。幽霊屋敷に入ると虚勢を張って物を壊し始める。案の定、怪異が起こって―― 人の本質は非常時でわかります。不良たちを襲った怪異はどんなものだったのか……。いろんな角度から怖さを感じる物語です。