《偽教授接球杯》

『君の夢に灯したら』

 不思議な本をめぐるお話。


 作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700429614997959

 企画URL『偽教授接球杯』https://kakuyomu.jp/user_events/16816700429614367013

 結果発表&コメンタリーURL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054893829031/episodes/16816927860345187204

(※追記:「ナイスキャッチ賞」をいただきました!やったー!ありがとうございます♪)


 この『接球杯』は主催者の偽教授さんと交互にお話を書くという企画です。

 奇数話Story1,3,5は偽教授さんが書かれますが、それも参加者の作品に入れてしまって良いということになっています。

 しかし、私の書いたお話偶数話だけでも物語として、成立する作品にしたいと考えました。

 また、Story1の雰囲気が、私と作風とは違うなぁと感じました。作風が違うのは当たり前のことではあるんですけど、私の技術ではこれに合わせるの難しいなぁと思いました。


 そこで思いついたのが、主催が書かれたお話はということにしてしまう作戦!

 そうすればStory1がなくても成立するお話が書けるし、作風は違っていても問題ない。また、語り手も変わるので、キャラへの理解を掘り下げる必要もない。

 そうして、Story1からの要素と拾って貰えそうな新しい要素を散りばめて、好き勝手に書きました。ページが風でめくれるところはお気に入りです。

 QP広川は思いつきのキャラ造形で、広川、木暮、山崎という名前は山と川と木が入っている名前ということで、テキトーにつけました。

 タイトルの『君の夢に灯したら』も深い意味はないです。Story1の冒頭、建物の灯りの描写がミステリアスで面白かったので、意味を後づけ出来そうな『君の夢』という言葉と合わせて、耳ざわり良い感じにしました。

 こうして、他の参加作品とはかなり異なる展開を書いた訳なんですが、書き上げてから他の方のを読むまで、自分の"暴投"ぶりには気づきませんでした。むしろ、「ネタ被りしてたら申し訳ないなぁ」とか思ってました。無用な心配でした。


 そんな風に勢いで書き上げたお話なのですが、ひとつだけ不安が……。


「Story3が校内についてのお話だったら、どうしよう…」


 偶数話だけで作品として成り立たせるには、奇数話を作中作、もとい"嵐の夜の建物でのお話"とする必要があります。木暮たちの学校生活とかの描写をされた場合、Story4がまったく思い浮かばない……。

 まぁ、でも、悩んでもしょうがない。とりあえず"返球Story3"を読んでから、詳しいことは考えよう!


 ……と、展開丸投げしていたわけですが、"返球Story3"をいただいた私は笑みがこぼれるのを抑えられませんでした。

 バッチリ、嵐の夜のお話の続きを書いてくださった上に、QPが登場する展開!

 まさか、彼がここで出てくるとは思わなくて……。さて、ここからどういう展開にするかと、もうワックワクが止まりませんでした。


 しかし、ここで新たな問題に気づきます。

 それは、この"キャッチボール自主企画"があと1~2話で終わるということ。しかも、1話あたり1,000~4,999字というルール。

 つまり、残り9,998字で完結させる必要がある上に、私のターンはこれが最後…。

 ……もう1ターンくらいある気がしてました。楽しくて、舞い上がって、勘違いしてましたね……。

 とにかく、完結させるのならば、物語の中に散らばった謎を明かさないといけない。謎の本と謎の建物……。しかも、企画のルールでは1話あたり5,000字未満……。どうしよう……。

 迷いつつも、他の方の作品を読んでいて、思いつきました。


「本の中の世界ということなら、他の方の作品と関連づけさせると面白いのでは?!」


 ……文字数制限あるのに、何を考えてるんでしょうね?バカなのかな?!どうして、話を膨らませようとしてるんでしょうね??5,000文字未満に収めないといけないのに!!やっぱり私は馬鹿なのかな???

 ……まぁ、それでも、やったんですけどね!書きたかったので!!


 QPと男性が建物を通じて、異世界を渡り歩いたというくだりが、それになります。がっつり取り込むのではなく、それとなく他の方の世界観を匂わせるつもりで、あのように書いています。

 また、異世界を股にかけるという、やや壮大な展開を起こすことで、謎について詳細を分からないままにしました。語り手といえども、世界の一部であり、世界を変化させたり、明かすことは簡単にしてはいけないとも思うのです。

 しかし、それだけで終わると、Story2の語り手が木暮だったことが少し気になります。彼がこの本を持っていたことや、父がいないと明言していることも。

 そこで、これをループモノということにしました。

 QPに本を書かせて、男性の名前を『グレイ』にし、それに関連させて『木暮』という名で戸籍をとらせる。要は、男性の子どもが木暮なのです。グレイが戻れなかったことに作中で触れましたが、Story2で既に亡くなっているのも、もしかしたら、異世界の住民だったことが何か関係しているのかもしれませんね。


 また、このあと"返球Story5"をお願いしたら、後日譚を書いてもらえたりするかな…という欲望も沸き上がったのですが、歯を喰いしばって堪えました。間違いなく素敵な返球をもらえるとは思うのですが、これ以上悩ませてしまうのも申し訳ないので……。


 とにかく、こんな感じで好き勝手に書かせてもらったのが、この作品です。作中作やループモノ、群像劇と自分の好きなこと目一杯やりました!今年書いた作品の復習のようにも思えて、楽しかったです。

 私にとって、ホントにありがたい企画です。

 企画の開催期間は2022年1月31日までですが、私の作品以外にも、既に完結になっているものもあります。

 ファンタジー、ミステリー、ホラー、バトル…といろんな作品がよりどりみどりで、めっっっちゃ楽しいので、下にもう一度企画URLを貼っちゃいます!

 是非いろんな方のお話を読んで欲しいです!

 『偽教授接球杯』URL:https://kakuyomu.jp/user_events/16816700429614367013


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