《偽教授相棒杯》

《大一回ジュニパーベリー文学祭》

『剣より強き鋭さを』

 とある戦争、そして少女と少年のお話です。


 今年書いた作品の総集編的になった気がしている作品です。特に、最近書いていたものの影響が強い。

 悪く言えば、ネタの使いまわしと言えなくもない…。でも、全くそういうつもりはないです。反省と復習はしました!


 作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700428534664125


 以下二つの企画の参加作品です。

 ・『偽教授相棒杯』

 企画URL:https://kakuyomu.jp/user_events/16816700428532007499

 結果&寸評URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054893829031/episodes/16816700429400113425


 ・『大一回ジュニパーベリー文学祭』

 企画URL:https://kakuyomu.jp/user_events/16816700428532048845

 講評URL:https://note.com/asattenomiti/n/n0059da406810#6020e734-8e0d-4e39-b03d-f11d130ee28f

 結果URL:https://note.com/asattenomiti/n/ne766152af82b

(丁寧な講評と「ユニーク賞」をいただけて嬉しいです!)


『偽教授相棒杯』に寄せて書いていたんですが、『大一回ジュニパーベリー文学祭』のテーマ小説を書くの要素も出てきたので、両方に参加させていただきました。


 まず、"相棒"がテーマなら、シャーペンと付属の消しゴムを擬人化した戦争モノを書こうと思いました。

 でも、この架空の世界を描くというだけでは私的にはイマイチ納得出来ませんでした。そこで、これを作中作ということにしました。

『…はっ!

 作中作を小説にすれば、ジュニパーベリー文学祭の要項も満たせるし、シャーペン設定なのがもっと活きるし( 私 が )愉しいな!

 よし!小説にしよう!』

 …と思ったのですが、作中作にするだけだと、相棒要素が弱くなるなぁとも思い、悩んで…。

 …前世を元にした作中作!ということにしました。


 過去の戦争に関する第一部『机上の戦争』と現在の高校生活を描いた第二部『日常に幻想』の二部形式にしています。

 一部のうち、『ダッシュ』に挟まれた冒頭三話第0章が明確に作中作にあたります。

 その後に語られる五話Aの章は作者である永子の記憶。しかし、夢で見た記憶なので細部はあやふや…。ただ、彼女が作品として残したい記憶であり、実質ここも作中作です。

 二部も二章に分けています。

 一章は永子の学園生活と夢を見た日の朝を描いた三話あたしが令嬢。学園生活の二話のタイトルは『胡蝶の夢』とかけて、『蝶』や『花』を使いました。『お花畑』は平和さと不穏さが出るかと思って…。

 二章がAIのレイくん視点での夢を見た日を描いた二話オレがAIで。

 こちらは源氏物語の空蝉うつせみの和歌をモチーフにしてます。「うつせみ」は現人とも書くそうで、二人が「今を生きる」ことを想っているという意味を込めました。

 あと、恋愛関係でないコンビ相棒杯のテーマだから敢えて、古の恋愛小説のネタを取り入れたくなりました。二人が敵対関係におる陣営同士というのも、どこか『ロミジュリ』を意識していたかもしれません。


 …改めて書くと、構成だけでもかなり凝ってしまっていた。


『偽物川』であんなに分かりにくいのを書いておきながら、懲りないヤツだなぁと我ながら恥ずかしくも思うのですが、反省点を踏まえて書いた…つもりだったんですけれど…。

 うぅ、何とか読む人がどうか楽しめますように…。あぁ、ややこしかったら申し訳ない…。


 …それでは、SF設定について。


『白亜』は「白墨チョーク」、『黒鉛の尖兵団』は鉛筆。『銀黒の鋭兵』は∥シャーペン《金属製なので》です。当初『黒銀』としていたのですが、それでは『黒鉛』と見分けにくいので『銀黒』にしました。

土黒どくろ』は鉛筆の粉から思いつきました。「毒」のある鉱物土から採れると「髑髏どくろ」をかけて、『土黒どくろ』です。

白謨しろも族』は元々は『白消族』にしてたんですけど、「消しゴム」感が強いのでどうしようか迷っていたところ、ゴムの漢字表記、「護謨ごむ」の「謨」に「はかりごと」という読みもあるのを知って、スパイだし良いかも!と考えてこれにしました。

「護」を使ってもよかったのですが、前世を夢見るほど気にしている永子は、無意識にでも彼らに「護」という字をつけないと思ったので「謨」にしました。実際の前世では『白護族』だったかもしれません。


 あと、杜松の実さんが講評で触れてくださっていた「共和国がレイを研究に使わなかった」謎について。

 これはまず私のSF技術への思想があります。

 "ヒト型ロボットは非効率"

 つまり、サイボーグやパワードスーツより、もっと最適化した形があるよね!確かにヒト型はロマンがあるけど、拘らない方がより技術力を活かせますよね!

 …ということなので、帝国は軍事サイボーグ技術には着手していません。医療の方には使っているかもしれないけれど、軍隊にはより殺戮に特化した兵器を使っています。

 なので、共和国は軍事力じゃ全く歯が立たず、ゲリラみたいな奇襲や暗殺みたいなことばかりしています。

 それでも、まだサイボーグ兵というロマンを感じる技術を追いかけたくなる人々がいるのが共和国。

 そんな国なので、軍部のトップも何だかちょっとズレている。そのため、せっかく捕らえた白謨族をサイボーグ兵見習いとして、前線に送るという状況が起こり得てしまった…という裏設定があったりします。


 また、ひとつ前に書いたSF作品『白の世界を夢に見て』で、世界観について目覚めたあとは触れていなかったのですが、こちらは現在の世界もやや近未来の設定にしています。


 その中で、『AI-mobileアイモ』は私の独自設定ですが、『ハイパーループ』は現在研究・開発の進んでいる現実の技術です。

 ただ『パルプ』という略語は私が考えました。自分が高校生の頃にあったなら、どういう風に略すかなぁと考えて…笑

 奇しくも、テーマ小説&シャーペンに関連した単語になったので、嬉々として使いました!


 次に二人の名前について。


 レイは「消しゴムイレイザー』からです。なので、検体ナンバーも『E-00ZR』。

 エイは「シャーペン《シャープペンシル》」の「シャープ鋭い」からです。

 小見出しの『第0章』『Aの章』『あたしが嬢で、』『オレがAIで。』は、彼らの名前とかけています。

 あと、紙の規格"A0"と縦横の比率が白銀比1:√2というネタも絡めようとも思っていたのですが、話がまとまらなくなりそうなのでやめました笑


 …もっともっと長編にすれば、白銀比ネタやれたかもしれません。白や黒ともかけられて面白そうだと思うので、ちょっとだけ心残りです。ただ今の私には難しい…。


 他にも、本当は黒の指揮官は『フィンガー』と呼ばれているという設定も考えていたのですが、今回のお話では活かせなかったので、潰しました。

 エイ目線で彼を傲慢な性欲男として描いたのはその名残です。手というのは欲望の象徴的な部分があり、シャーペンネタと絡めることもできるので、面白そうだと思ったのですけれど、とりあえず今はこのまま…。


 いつか続きや関連作を書きたい作品のひとつです。

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