何故だろうか、何かがおかしい魔王退治

バナナキング

第1話 始まり

 広く大規模なモンスターも生息する荒野、果てしなく先が見えないキラキラ輝く青い海、緑の大自然で流れる小川、森に響き渡る鳥の囀ずり。そこに、静かにエルフ達が暮らしている。


 この世界には6つの国と複数の村が存在する。


ベルマン帝国、ギロア共和国、アージン社会共通平和国、ヴィレンツ帝国、ザリバ王国、ヘーンジン宗教国などと言う国が存在する。


 この国々では長年戦争があったが、開戦から35年で終結した。それから争いは多くの犠牲と憎しみ、悲しみをもたらすと歴史が語り継がれ多くの者は争いでなく平和を望むようになった数年前までは‥



__ザリバ王国

 

王と王妃の玉座前に勇者ブレーブがナイトの称号を受けていた。

 

「勇者ブレーブよ、そなたのドラゴンエイジの討伐により多くの者が救われた。よってナイトの称号を与えよう!」


「はっ!ありがとうございます」


王がナイトの称号を与えようとしたその時、突如壁が爆発した。


「うわぁぁ!」


その壁の付近に居た兵士達は、爆風で次々と吹き飛ばされていった。


「何事だ!」


壁に大穴が空き砂ぼこりが辺りに舞い散る。その砂ぼこりから黒い姿が現れ、段々と勇者達に近づく。


「貴様、何者だ!」


王の護衛兵士達が近づく人影の行く手を阻む。しかし、黒い人影は近づいて来る。段々砂ぼこりが落ち着き消えかかった時、その影は突然消えた。


「ナニ! ど、何処に消えた」


兵士達は慌てて辺りを見渡したが、居なかった。その時、


「きゃぁぁ! た、助けて誰か!!」


上から女性の叫び声がした。全員が上を見上げると、黒いローブ姿の人間が姫を片手で抱いて空中に浮いていた。


「フハハハハァ! 我は遠い北の魔王城のNo.4、黒煙使いのドリスだ。

今からここザリバ王国に宣戦布告をする!その宣戦布告として姫をもらって行く!

返して欲しければ、魔王城まで来るがいい!フハハハハ!」


そう言うとドリスは、姫を抱えたまま魔法を使った。


「喰らうがいい、ブラックファイヤー!」


魔法は、下に居た王達に放たれ、周りがあっという間に炎の海となった。その後、ドリスは、燃え上がる黒煙と共に消えていった。


「みんな外に出るんだ! 早く!!」


勇者ブレーブが呼び掛けて、護衛兵士達や王の側近らも外へ急いで避難した。

全員部屋から避難したと思っていたが、王はまだしゃがみ込んでいて逃げ遅れていた。


勇者ブレーブは、王の元へ急いで駆け寄り肩を組んで立ち上がろうとした。


「王! しっかりしてください。早く逃げましょう!」


しかし、王は咳をしながら掠れた声で言った。


「勇者ブレーブよ、こんなことになってすまなく思っている。」


「何をおっしゃいますか! さぁ早く逃げましょう歩けますか?」


すると、王は目を閉じ、落ち着いた口調で、


「私を置いて行きなさい」


「えっ、何仰いますか? あと少しです。もう少し頑張ってください!」


「いや、無理なのだ」


と王が言い、ブレーブは、王の足に目をやると王の足に破片が‥‥


「王‥‥、」


「勇者ブレーブよ、最後に聞いてくれ。魔王を倒し、我が娘を救っておくれ、頼んだぞ」


ブレーブは、泣く泣く王の命令にしたがった。そして、王をそこに置き去りにし、玉間入り口に走り、入り口際で振り返り大声でこう叫んだ。


「分かりました。必ずや、魔王を倒し姫を救ってみせます!」


炎は天井まで達し、玉間にあった物は燃えたぎる炎に次々と呑まれていく。

すると、突然天井にあったシャンデリアが王の真下に落下した。


しかし、王は下敷きになりながらも痛みもこらえ、最後の力を振り絞って言った。


「行けぇえ!」


ブレーブは、それを聞いて涙をぬぐいながら急いで宮殿の外に向かって走った。そして宮殿入り口を出た瞬間、宮殿が燃え盛る炎の中大きな爆発が起きた。


 宮殿外では、多くの人々が宮殿を見上げていた。そこには嘆き悲しむ者や一切まばたきをしない者などが居た。


宮殿はあっちこっちから火が上がり、みるみる宮殿は燃えていった。もはや止めれる様子ではなかった。

幸い、宮殿に接する建物がなかった為、自然鎮火を待つのみとなった。


ブレーブは、燃えたぎる宮殿を見て目をつぶり心に誓った。


___「王様、必ずや魔王を倒し姫を救ってみせます。そしてあなたの敵も討ってみせます‥‥」



勇者ブレーブは、王の敵を討ち姫を救う為、世界を揺るがす存在でもある魔王を討伐しに、旅に出るのだった。



あんなことが待ち受けるとは知らずに‥‥





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