SNS疲れ
シヨゥ
第1話
いつの頃からかSNSでのつきあいが面倒になってきた。というのもなんだか疲れてしまったからだ。
薄いつきあいを求めてはじめたSNS。趣味ごとを投稿しては同好の士に反応をもらう。はじめはそれが自分の趣味が認められているようでうれしかった。
日々そんな活動を続けていくと同好の士のネットワークは広がっていく。すると同好の士の中でもさまざまな人に出会うことが増えてきた。
「ぼくの投稿とまったく同じこと書いている。パクリじゃないですか」
「その考えはおかしい。発言を撤回してください」
「バカ丸出し。死んだほうがいいんじゃない?」
その中にはこんなあきらかな敵意をもった人もふくまれる。言葉が強いだけにほかの肯定的な意見をかすませてしまう。しだいにそんな反応ばかりを目ざとく見つけるようになり、わたしは参ってしまい、投稿から遠ざかっていった。
「最近投稿ないですけど大丈夫です?」
するとそんなメッセージが来る。一番はじめに反応してくれた方だった。その一言に思わず涙が流れる。ここで疲れていることを自覚してしまった。
わたしは今日SNSの退会手続きをおこなった。
もちろん直前に心配のメッセージを送ってくれた方には説明をしてある。納得してくれて、悲しんでくれて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
それでもわたしはSNSをやめてよかったと思う。それは投稿しないといけないという使命感や誰かの逆鱗に触れるんじゃないかという気遣いををいっさいしなくて良くなったからだ。
少しさみしいけどすごく楽。でもすこし物足りない。それぐらいがちょうどいい。そう思うのだ。
SNS疲れ シヨゥ @Shiyoxu
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