十一話目 零の内容を百で話す

「あ、馬嶋店長おはよー」

「ん?あー幸さんおはよう」


「あんなちょっと話聞いてくれや。朝なバーって体起こしてからカーテンばビャッて開いてから窓ん向こうに俺の顔面お披露目してから世界にいい朝だねって挨拶してたらうちの家畜のねこ太がじゃれて来て、あーもーやめろってーって軽く手のひらで転がしてやってから餌与えてたら胃袋が寂しがっとるけん俺もエサ与えんとなー思てから冷蔵庫開いたら牛の体液と鶏のなり損ないしかなかったけんがら便利屋に走って行ってパンとコーヒー持ってレジん兄ちゃんに渡したら大変なことになったんや。なんやと思う?金ば持ってきてなかったんや。そいでそのまま兄ちゃんにちょっと家戻ってからまた来るわー言うてから便利屋後にしたんよ。そいで、帰ったらねこ太が俺ばお出迎えしてから足の周りばグルグルと回るもんやけんがら、おーもーやめろってーて軽く弄んでから金持って便利屋で同じの買って食べて今ここに来たんよ」

「馬嶋鹿直店長」

「なに?」

「そんなんだから馬鹿ってバイトにも言われるんですよ」

「待って、それ初めて聞いた。え、店長なのにそれ言われてるの?」

「店長の話の内容の薄さは日本料理の薄味よりも薄いって悪い評判ですよ」

「え、なんか今日具合悪くなって来たから帰ってねこ太に甘えてくるわ」

「仕事はしてください。馬の鹿店長」

「心に深く傷を負ったので今日はサボらせていただきます」

「どうぞご自由に」

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空を駆ける文 雪宮紫月 @unluckyblock01

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