第1話「目覚めるとそこは」

「おーい、君〜!!」


 最初に聞いたいのは、そんな女性の声だった。誰かが自分を呼んでいる…?


「う…」


 うめき声と共に、ゆっくりと目を開けるとそこは海岸、文字通りの砂浜だった。そこでようやく、自分が海辺に打ち上げられたアザラシよろしく、うつ伏せで砂面すなもに倒れていることに気がついた。


「あの〜、大丈夫? 言葉はわかる?」


 また女性の声。倒れたまま視線を少しずらすと、そこには自身と同年代くらいの女の子が1人。ぼんやりとした視界で確認できたのは、メルヘンチックな御伽噺おとぎばなしに出てきそうな、フワッとした白いドレスと金髪…。海辺うみべには似つかわしくない格好の声の主は、心配そうにこちらの様子をうかがっている。


「…ここは…どこ? あなたは…誰?」


 頭がズキズキする。思考が追いつかない。思ったことが、そのまま言葉になる。


「言葉はわかるみたいね。なら話が早いわ」


 そう言って、名前も知らない目の前のは、どこか楽しげにニコッと笑みを浮かべるのだった。

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リアリテ・ファンタジア @langage

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