第3話
あれ?ここはどこ?
見渡す限りの野原には、神々しい生命が。
まるで……
まるで黄泉の国だった。
私は死んだのか?
それはそれでいいかもしれない。死んだところで私は……
「あらあら。またか……」
どこからか声がする。それは20歳を超えたぐらいかと思われる女性のもだった。
私もその言葉に答えようと声を出そうとするが、声が出ない。
「あなた、大丈夫?
それにしても、最近は増えているわ。
どうしようかしらねぇ。」
女性はさらに続ける。
しかし、私の声は出ない。
「あなたは……山川麗ね。
喋れないけど、我慢して。」
私のことを知っている。そして、やはり、物語のように黄泉の国に来たのかという考えが裏付けられるような、言葉だ。
「私は、アム。
純粋な、死んだ子のみを扱う、いわば女神。よろしくね」
「それにしても、また魂だけがまた死んじゃったのね。こういう子は現世でも殺さなくては、一生痛むだけよね。」
「でも、安心して……。最近こういう子が増えてるから、別の世界へ送るわ。別世界なら、あなたは役立つの。苦しい思いなんてしなくて済むわ。」
「どこがいいかしらねぇ。この子は賢そうだから、未発達の世界が良さそう。
そうだ、よし、あそこに送ろう。」
ポンポンと意味不明な話が続く。
私は急いで抗議しようと思った。
しかし、それに気づいた。
足がないのだ。
よく見ると体も透けている。
私が足がないことに気づいている間も女性は続ける。
「よし、ここに送っちゃおうー!」
「いい生活になるようにね、麗。」
意味不明なことを続ける女性は、手を振る。
なにがなんだかわからないまま、目の前は光る。
「痛い……」
とりあえず死にたくない @ruri1218
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