異世界転生トラックを回避し続けたらハリウッド映画デビューしました!

ラフター1号

異世界トラックを回避し続けたらハリウッド映画デビューしました!

「うお!」

ガシャァァァン!

「はっ!」

ドゴォォォン!

「ほっ!」

ギャシャァァァン!

「今日のトラックは勢いがあるな」

「あの、大丈夫ですか⁉︎お怪我は⁉︎」

「いやあ、ご心配なく。慣れてますから……」

「トラックが突っ込んでくるのに慣れてる⁉︎」

「ええ……ああ、あなた最近ここに越してきたばかりだろうから、説明がまだですね」

その男は話し始めた。


あれは半年前のことでした。

その日も今日みたいにトラックが突っ込んできたんですよ。

スタントマンの養成所に通っていた私は辛くもトラックをかわしたのです。

すると、次に頭に声が聞こえてきたのです。

「明日は絶対に異世界へ転生させるからな‼︎!」

わたしは頭がおかしくなってしまったのかと思いました。病院に行こうかと考えました。

しかし、異世界転生という小説のジャンルのことは知っていました。人気ですから。声の主は女神様でしょう。

だとすれば、明日またトラックが突っ込んでくるのではないかと考えました。

その対策を立てなければ、明日死ぬことになります。

病院に行くのはやめにして、トラックのかわし方を研究しました。

翌日、トラックは突っ込んできたのでなんとか回避したのです。

「意地でも異世界転生させるから‼︎!」

また頭にメッセージが送られてきたので、ああこれは多分轢かれるまで続くなと感じました。

その時、たまたま来日していたスペルビーグ監督が現場を見ていて、わたしのアクションにほれたと言って映画のオファーがきました。

もともと俳優志望で芽が出ず、それならとスタントマンを志したので結果オーライでした。

映画はそこそこヒットしました。

アメリカに移住した後もトラックは突っ込んできました。アメリカのトラックはデカくて大変ですが、なんとか避けています。

異世界に転生しても、必ずしもハッピーエンドとは限らないので、トラックは回避しています。どこだって住めば都ですから。

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