創作の技がいくつも盛り込まれていて輝いてます!

 まず、導入部分が分かりやすく簡潔にまとまっているので、作品の世界に入っていきやすくて良いです。

 また、お祓いをしたナイスミドル住職と自治会長のネタが面白いです。
 ほかにも加藤さんがオカルトサイトを見つけた経緯、その報告を受けてJK(天ノ宮さん)に依頼しちゃう自治会長など、キャラがたってます。

 黒髪ロングの子(ユッキー)は登場から経過までの引っ張り方が興味深かったです。
 すぐに答え(答え)を出すのではなく、読者を惹きつけたまま話を展開させるという点が良いと思いました。幽霊っぽさを感じさせつつ、まとめの部分まで結論を出さないという使い方が絶妙です。

 そして物語が進むと途中の地の文で書かれた怪奇現象が自分たち夫婦のことだと明かされますが、一人称で書かれているからこその仕掛けで、うまいと感じました。

 さらに天ノ宮さんが離婚届に気付いているなど、ストーリー全体に繋がりを感じるような仕掛けが各所にあって素晴らしいと感じました。