ルームメイト

バブみ道日丿宮組

お題:素朴な痛み 制限時間:15分

ルームメイト

 ちくっとした痛みで起きると、

「噛んで起こすのやめてっていったじゃん……」

 案の定、腕に口をつけたルームメイトがいた。

「あむ、だってこれが一番起こしやすいんだもの」

 悪びれる様子がないルームメイトの口と私の腕の間によだれの線が離れたので生まれた。

「キスよりはいいでしょ?」

「ある意味こっちもえっちな感じがするよ」

 よだれをパジャマで拭き取り、ルームメイトの頭を撫でる。

 小さな女の子。

 同じ年齢とは思えないほどの可憐さで、頭脳は私より良くできる。

 なのに、起こし方は雑。

 目覚ましはこのこがよく壊すから最終的にこうなってしまったわけ。

 身体のコントロールができれば、目覚ましはいらないって話らしい。

 どんなに夜中にはげしい運動をしても、熱が出てもその言葉通り彼女は起きた。そして色んな方法で起こされてきた。

「朝からおませさんだね。学校行く前に舐める?」

 パジャマをめくり、自分の胸部を見せてくる。

「そんな時間ないでしょ、それに傷に響くからしばらくはしないって言ったでしょ」

「そっか、残念。だけど、ありがとう」

 そういってパジャマを脱ぐと畳まれた制服に着替えてく。

「ちゃんと下着はつけるの」

「なくても変わらない」

 はぁ……本当に雑。

 寝ぼけ眼も彼方に彼女の着替えを手伝わなきゃ今日もはじまらないらしい。

「……」

 しかしまぁ……見事な歯型が今日も腕にできてしまった。

 体育の時間にクラスメイトに聞かれていつも困るんだよね。

「はぁ……ま、いっか」

 立ち上がって、彼女の着替えを手伝うとすぐに彼女は嬉しそうに笑って暴れる。姿相応の子どもなのか、頭脳明晰な少女なのかわからない。

 でも、彼女に惹かれて愛してしまったのは私。

「はい、終わり。いいね。癖っ毛1つもない髪は」

「ぼさぼさも朝見てて面白いよ?」

 疑問系で聞かれても困る。

「朝ごはん作ってくるね」

 彼女はそういってベッドルームから元気良く出てった。

 私は脱ぎ散らかしたパジャマを拾って、畳んで彼女のベッドに置く。

 家事全般は彼女が進んでやってくれる。私は彼女の世話をする。

 そんな関係が私と彼女の付き合い方。

「髪セットしなきゃ」

 髪の毛のぼさぼさを元に戻してる間に、キッチンからいい匂いがしてきて一緒に朝食を取った。

 栄養バランスも考えられた彼女オリジナルの料理は見た目はあれだが味は問題ない。

 私の発育にいいのを選んでるらしいが、自分はいいのだろうかといつも聞いてしまう。

 そんなことを聞くと、遺伝は遺伝だから無理。

 でも、私は違うと希望の目を輝かせる。

 好きな胸の大きさと柔らかさにするのが今後の生活の目標とかなんとか。

 ほんと不思議なこ。

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ルームメイト バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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