第11話王都にとうちゃく!

 王都に向かって二週間。やっと、門が見えてきた。

 ただ速くしただけの馬車じゃ、全然楽になってない事がよくわかる二週間でした…腰が痛いよぉ!


「ハッハッハ!念願の王都だぞ?」


「やっと王都だあ…お尻が痛いよぉ!」


「でも、前よりは楽だぞ?嬢ちゃんの発明のおかげでな!ガッハッハ!」


 これよりキツいとか拷問だよぉ…


「うぅ、いたい………でも!新しい案は浮かんだし、早くお部屋でゆっくり書き起こさないと!」


「あの夢のようなやつか?一体何年後に作る予定なんだ?」


「一ヶ月!目標は3日!」


「おぉ、そりゃあ楽しみだ!できたら一番に運転させてくれよ!」


「もちろん!」


 魔力的な問題があるけど、私が補えば何とかなるし、一回作ってみないとな〜。






 王都の門をくぐると、そこは物凄い数の人で溢れていた。


「わぁ、人もお店もいっぱい!」


「最近はかなり盛り上がってるからなぁ。普段より多いな、これは!」


 どこを見ても人、人、人。出店も多くて、でも馬車が通る道ができてる。遠くの方とかだと、たまに横断してる人もいるけど、それがまた面白い。

 都会って、凄いなぁー…


「じゃあ、このままお屋敷まで向かうぞ?寄りたい所があったら教えてくれよ!」


「わかった!」


 目を閉じて少し集中すれば、食べ物のいい匂い、お花の匂い、音楽の音とか、吟遊詩人さんの詩とか、『楽しい』がいっぱいに入ってくる。目を開けて辺りを見れば、笑ってる人、怒ってる人、泣いてる子供、楽しそうな子供、頑張ってる人、色んな人や、色とりどりの花や服、屋根に壁、他にも動物なんかもいたりする。楽しいだけじゃ無いけど、そこもまた面白い。


 結局そのまま、どこにも寄らずにお屋敷に着いた。腰も痛いからね!


「くぉー!腰がー!」

「ハッハッハ!じゃあ、馬車やら馬やら直しに行くから、また後でな!嬢ちゃん!」

「んー!またねー!」


 クルドおじちゃんに返事をしながら、『伸びろー!腰ー!!』って感じで伸びをする。

 そうやって伸びをしてると、メルネお姉様が歩いてやって来た。


「あらあら、リリアちゃん何してるの?」

「メルネお姉様!伸ばしてましたー!」

「ふふっ、そうなのね〜」


 メルネお姉様に抱きつくと、優しく抱き止めてくれた。


「レールお兄様とルークお兄様はどこにいるんですか?」

「ルークちゃんは学園の寮にいると思うわよ?兄様は部屋で読書かしら?」

「なるほど!じゃあレールお兄様に挨拶しに行きますね!」


 離れようとすると、ぎゅっと抱きしめられちゃった。どうしたのかな?


「どこの部屋かわからないでしょう?」

「はっ!!たしかにわかんないです!」

「一緒にいきましょうか」

「はい!」


 手を繋いで、一緒に歩きはじめる。

 た〜のし〜いな〜!

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婚約者探しのためにトップレベルの学園へ入ろうと魔法を鍛えてたら強くなりすぎてた 不定形 @0557

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