第10話へっへーん
馬車って、何でこんなにお尻が痛くなるんだろう?作っちゃう?お尻が痛くならない魔法作っちゃう?………流石に、面倒だからいーや。
家から出てはや3日。後4日くらいで王都に着く予定だ。
「嬢ちゃん、次の街で休むかい?」
「そうするぅ〜……」
御者の人はうちで雇われてるグルドっていうおじちゃん。気さくでいい人だよ。
「ガハハ!嬢ちゃんはほんとに馬車が苦手だなぁ!」
「お尻が痛くない馬車とかないの〜…?」
「そりゃあ嬢ちゃん、作んなきゃねぇよ!ガハハハハハハ!」
だよねぇ……………
「………よし!今度作る!」
「ハッハッハ!ほどほどにしときなや!」
よーし!必要な魔法を洗い出しておこう!
しばらくあれでもないこれでもないって呟いてたら、魔力操作の訓練という名前の遊びで展開してた気配察知の魔法に、魔物が引っかかった。
「おじちゃん!この先魔物いるよ!」
「どうする嬢ちゃん!迂回か?撃退か?」
迂回は、したくないなぁ。お尻痛いし。なら撃退かな?
「撃退の方!」
「嬢ちゃんがやってみな!何事も経験だ!」
「りょーかい!こう見えて何回か相手してたんだよ!」
窓から体を出して、魔物がある方へ指を向ける。《魔砲》の魔法陣を3枚重ねる。
魔法を使う時って、魔法陣を出すんだけど、実はその魔法陣を複数枚重ねると、込めた魔力の値分を掛けた威力になるんだよね。例えば、魔力を2込めた魔法陣を3枚重ねると、魔力を8込めたときと同じ効果が出るんだ。他には魔力を2込めた魔法陣と魔力を3込めた魔法陣を重ねると、魔力を6込めた時と同じ効果になる。まあ、かなり難しいし、まだ10枚くらいしか重ねられないんだけどね。
ちなみに、今出した魔法陣には、2ずつ込めてあるよ。
「《バン》!」
「ほぉ」
射線上の木や葉っぱに穴を開けながらまっすぐ突き進んでいく。
うーん…少しずつ勢いが減っていってるなぁ。障害物を避ける仕組みでも入れようかな。
仕留めた魔物の方へ行き、ゲルドのおじちゃんが解体した。ちなみに、魔物はオークだった。お金になるんだって。
「嬢ちゃん、マルクス学園に行く必要あるのか?」
「あるよ!幸せな結婚をするためにはね!」
「なるほど!そりゃ確かにあっこは適任だわなぁ!」
がっはっは!って笑いながら御者をするおじちゃん。
でしょー?今からすっごく楽しみ
婚約者探しのためにトップレベルの学園へ入ろうと魔法を鍛えてたら強くなりすぎてた 不定形 @0557
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