第2話
「調べてみましたが……該当ゼロですね」司書は言う。
「そうですか……ないんですね」俺はショボーンとして言う。
「似たようなタイトルでこれならありますけど……俺の幼馴染みの女の子が実はアイドルやってて、生放送中に実は好きな人はマネージャーですってポロッと言っちゃって、事務所の社長に怒られたんだけど、愛を貫いてマネージャーと結婚して幸せになります。俺くんゴメンね! ならありますけど」店員は言う。
「全然違うだろ! 寝取られてるじゃねーか! マネージャーに! 俺くんゴメンね! じゃねーよ! 全然謝罪の気持ち入ってねーだろ! それ!」俺は言った。
「似てると思ったんですけどねぇ」司書が顎に手を当てて考え込む。
「全然ちげーわ! 誰が見るんだよそんなの!」俺は言った。
「では利用者様これはどうですか? 彼女と大喧嘩して別れたあと1週間でよりを戻した俺たち。だが、彼女からその一週間で20人くらいの男とHしたって泣きながら言われたんだが。っていうタイトルがあるんですけど」司書は言う。
「いや! 怖すぎだろ! それ! 女! 泣きたいのはこっちだろ! 女性不審になるわ! ふざけてんのか! そいつ!」俺は言う。
「ごめんなさい。こういう本のタイトルなんですよ。これ」司書が言う。
「なんなんだよ! そのタイトル! タイトルだけでメンタル削ってくるのやめろ!」俺は言う。
「ま、確かに……そうですね。じゃあこれはどうですか? 先生に怒られて更生したら退学だった件」司書は言う。
「退学なのかよ それ! 更生したのに! 先生容赦なさすぎだろ!」俺は言う。
「ま、でも校則破ったらね。そりゃ退学ですよ」司書が言う。
「だからなんの話しをしてんだよ!」俺は言う。
「いやだから小説の話でしょ?」司書が言う。
「まぁ確かにそうだけど……あのラノベとかはないんですか? ライトノベル」俺は言った。
「ライトノベル? 探してみますね。あっ! ありました! タイトルは……隣に座った美少女がガチガチの日本大好き国粋主義者だった件ってのがあるんですけど」司書は言う。
「いや、ライトはライトでもそっち側のライトじゃねーから! 右左のライトじゃねーからな! 政治の話題はいろいろ荒れるからな! そろそろやめようか!」俺は言う。
「そうですか。じゃあもう面倒くさいんで自分でパソコンで調べて貰っていいですか?」司書は言う。
「だからパソコンが使えねーんだろ! 舐めてんのかお前!」俺は言う。
「話になんねーわ! そう言って俺はその場を去った」
【爆笑コント】図書館行ったら司書がヤバイ奴だった件 水ManJu @mizumanjuu
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