登場人物が少数に絞られているため読みやすく、クスッと笑えて前向きで優しい。まるで「さゆりん」のような愛らしい作品です。
今のありのままの自分を肯定していい、というメッセージ性を感じますが、それさえも優しい。
例えば主人公フミヨシは、だいたい毎日幽霊のご先祖様から説教されているのですが、なぜか全体的にこざっぱりしていて、まったく押し付けがましくない。これも愛ゆえでしょうか?
やはりこの作品を語る際に見逃せないのは衝撃の事実が明かされる最終話。「もしもの話」があまりに厭すぎる。けれど今まさにどこかで起こり始めているかもしれないというリアリティに、冷たい手で心臓を掴まれるような心地がしました。
「万人受け」という言葉が本当に相応しい。私が言うのも変ですが、まず1〜2話、気軽に読んでみてはいかがでしょう。
お盆にはご先祖さまが帰ってくるなんて言われがありますが、本当に帰ってきちゃった話です。
高一のフミヨシの部屋に現れたのは、なんと死んだ曽祖父母。
しかもネット小説のアドバイスをくれたり、恋の応援をしてくれちゃったりする。
じいちゃんばあちゃんの会話のテンポが最高によくて、とても楽しいです。
フミヨシくんのツッコミもいちいち的確なのが、絶妙な笑いを誘います。
幼馴染との関係が進展したり、反抗期で気まずかった両親と話せるようになったり……
じいちゃんばあちゃんのおかげでいろんな出来事がくるくる好転していく様子が、大変鮮やかで気持ちいい。
一夏の経験が少年を大人にする。
まさに二人と過ごした夏は、彼の人生の大きな転機となったことでしょう。
最後に明かされた衝撃の事実には、じわっと胸が熱くなりました。
軽やかでハッピーで、最高の読後感。とても面白かったです!
趣味でネット小説を書く高校生・フミヨシ。
お盆が過ぎてからというもの……背後から彼の小説の内容にダメ出しをする、世にも恐ろしい背後霊が……!?
「……おぬし、正気か」
さらに、密教系アイドルとのたまうきゃぴきゃぴ美少女(の姿をした)霊まで!?
「あびらうんけ〜ん♡そわか~♡」
もう、決め台詞が最高に素敵じゃないですか。なんなんでしょう、このお二人。面白楽しすぎます。
二人のおかげで、フミヨシの夏休みは波瀾万丈・刺激がいっぱい!
そんな中で少しずつ、この後の人生を決める大切なことを知っていくのです。
とってもハートフルな心霊コメディ。
読みやすいので、夜のおともにいかがですか?
主人公は小説を書くのが趣味。そして顕現したご先祖様は、小説にえらく詳しい。
そんな感じの導入だったので、最初はハウツー物かと思って読んでいたのですが、良い意味で見事に騙されました。
おじいちゃんご先祖様だけじゃなく、おばあちゃんご先祖様まで現れて、あれやこれやと騒がしく進んでいくお話。登場人物如何では煩く感じるタイプの構成なのですが、本作は非常に読みやすく、また登場人物のキャラ設定が面白いです。
そわか~♡
さてでは、一体この人たちは何をしに霊界からやってきたのかな?
と、思い始めた矢先、明かされた真実。
よく考えられているな~、素敵だな~、というのが読後の感想です。