『あなただけの天使を』

 見た対象をありのままに描く異能を持つ一族が、写真の台頭と共に落ちぶれ、最後に残った末裔が財産を食い潰しているところからお話はスタートします。
 主人公の家に届けられた一枚の写真、それは両腕のあるはずの部分が一対の翼になった可憐な少女……まさに天使のものでした。
 主人公は天使に会うために妖しげな場所に足を踏み入れ、そして、店員に言われるがまま家に天使を招きます。
 聖水と林檎、そしてパンを与え、天使の美しさを描こうとする主人公でしたが、なかなか思い通りに描けない中、天使はどんどん弱っていく……それて……。
 という作品なのですが、幻想生物の描き方がとても細かくて、多分動物好きな方にはクリティカルヒットすると思います。
 前半の「見た対象をありのままに描く異能」がどう活きてくるのか、天使とは一体……とたのしみに読んでくれるとうれしいです。

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