第15話 ケイトちゃんからの依頼2
ケイトちゃん凄く期待してるけど、僕の解決方法って殆ど【錬金術】を使った力技なんだよね。
それに僕の実家サイド伯爵家って、【錬金術が専門】の学者の家系。戦闘系は苦手で魔道具頼り。
家の騎士団や使用人達は我が家の機密情報を護る事とか護衛には長けているけど、ケイトちゃん家みたいに権力がある訳じゃないし。
どうしよう?
そもそも僕はマクレガー氏の事を、全然知らない。
とりあえず兎君や近所の人達から、聞き込みかなぁ……
兎君が以前住んでいた所は学園街の郊外にある、長閑な村だった。
マクレガー氏はその村で代々続く豪農。
と言っても村長ではなく、村の幹部の1人といった人物だったそうだ。
『親切な男だったよ。
旦那を亡くした奥さんに畑で採れた野菜を分けてやったり、出稼ぎに出た奥さんから無償で子供を預かったり。
なかなか出来る事じゃないよ。』
と言ったのはマクレガー氏の隣りに住む、農夫のおじさん。
『何が親切なもんかい!アイツは奥さんに気があったんだよ!
あんがい旦那を殺したのもアイツなんじゃないのかい?』
と言って不機嫌な顔をしていた村唯一の食堂兼宿屋の女将さん。
『ギャンブル好きで、あちこちに借金があったんだ。
それが村を出る前に、村人への借金は全部払って行ったんだぜ。
怪しすぎると思わないか?』
と言ってお酒のお代わりを要求してきた、マクレガー氏の幼馴染みの酔っ払いのおじさん。
もちろんこの情報は、僕が聞き出したわけじゃないよ。
ほとんど僕の幼馴染みで、冒険者をしてる5歳歳上のラックが調べてくれたんだ。
僕が1人で行くって行ったら、皆んなに反対されて仕方なく、ラックと陪臣家の娘で騎士を目指している、シノンちゃんと3人で兄妹って事にして村に行く事に……
僕とシノンちゃんは夕飯を食べたら、宿屋のお部屋でお留守番。
その間、僕達は村長から借りて来た兎君の父親殺人事件の記録を調べる事にした。
村に来てわかった事は……
①捜査はまったくといっていいほど、されていない。』と言う事。
②第一発見者が件のマクレガー氏だという事。
③遺体を見つけて驚いた拍子に転んで現場を荒らし、証拠が消されていた事。
(怪しい)
④兎君の父親はこの村に定住する為に、マクレガー氏と土地購入についての話し合いをしていた。
⑤兎君の父親が協会から借りて用意していたはずの、お金が消えている。
(事前に王都の練金術師協会に確認済み。)
④マクレガー氏は、『そんなお金は受け取っていない。』と言っていた。
⑤その為、兎君の母親はズーラシアン王国に出稼ぎに行く事になった。(現在行方不明)
⑥兎君の母親から子供達の事を頼まれたのに土地家屋を売り払い、兎君達を村とはかなり離れた例の教会に売って姿をくらました事。
⑦しかも今回、村人には『子供達を連れてズーラシアン王国に行く事にした。ワシも一緒に向こうで暮らす事にする。』と嘘をついていた事が判明。
思いっきり怪しいじゃないか!
国立ユイナーダ学園高等部③〜どうやら僕は名探偵らしいですね【連載版】初等部編 砂月ちゃん @natuki0163
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