ある意味で略奪者。

タイトル通りそれが本筋ではありつつも『略奪とは?』の解釈を考えさせられる作品でもあると思う。
最近の略奪系の路線から少し外れてる感じがして読んでて新しい。

シリアスを挟みつつもそれが絶妙なバランスで、
それでいて最終的にはホッコリさせてくれるから救いがあって安心して読んでいられる。
また魅力的なヒロイン達だけじゃなくて主人公本人も複雑な想いや感情を抱えているにも関わらず、自分よりも誰かの気持ちや想いを優先して思い遣り、更には人によっては事情を考慮して尊重した上で、
助けようとするだけの意志の強さも感じられる主人公の人柄に好感を持てる。
略奪という名の優しさで関わる人の心を癒して、
文字通り悲しみや後悔を心の内から奪うようにして大切な人を、または誰かの大切な人を救う優しい略奪者の話は読んでて先の展開が気になるし、
ヒロイン達との関係性もその上でどうなって行くのか早く続きが読みたくなる作品。