第3話 戦いは終わらない
「くっそ…消せねぇ…。」
昨日の騒動から一日。僕はこのゲームをアンインストールしようとした。
でも、消せない。色々試してみたがダメだった。
「なんでこんな事になったんだ…。」
消えた八幡と残ったアプリ。現実ではあるが、未だ夢のようなふわふわした感覚がある。
そんな感じでぼーっとしてると、近くにいた女子に話しかけられる。
「どしたの?次の授業始まるよ?」
話しかけてきたのは僕の近所に住んでる幼なじみだった。名前は一条 玲奈。この学年じゃ一番可愛いと他の男子はよく言う。僕は玲奈に返した。
「うん、大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから。」
「そっか。なら良いんだけど…。あ、それなんのアプリ?初めて見るけど。」
玲奈は僕のスマホのホーム画面…ガイスト×オルガナンスのアプリを見て言った。
「あ、いや、これは、、、その」
ついしどろもどろしてしまう。これは八幡が消える原因になったアプリ。そして消したのは一応僕という事になっている。
「あんまりゲームばっかやってると次のテスト赤点だぞー!」
まーた茶化してきた。これで何度目だろうか…。
でも、何事も無く1日の授業は終わった。でもあのアプリのことがいつバレるのか、僕は気が気ではなかった。
そして予習復習を終えていつものようにベッドに横になりながらスマホを弄っていると、一件の通知が来た。何かなと思い開くと、それはガイスト×オルガナンスのメール機能の通知だった。
「んだこれ、、対戦…募集?」
自分から開かなければ安全だと思っていたが、そういう事でもないらしい。しかも、無視すれば試合放棄とみなされポイント没収と書いてある。もしそのポイントが取られたら…。僕は、八幡みたいに消えるのだろうか?もしそうなら、、僕は行くしかなかった。場所は、この前と同じ公園。一応、対策になるかと考え、胡椒を持っておいた。相手の顔面に掛けれれば、少しくらいの時間稼ぎになるだろう。でも、もし僕が勝ったら…?その時は、相手が死んでしまうかもしれない。どうしようもないのかもしれない。最初から詰んでいるのかもしれない。これは人を蹴落として勝ち登っていくゲーム…。それでも、僕は誰も殺したくはなかった。
そんなことを考えて歩くと、僕は公園に辿り着いていた。そしてやはり公園には誰かいた。暗くてよく見えないが、何となく見たことがある気がする。そして、公園の中に入ると、それに話しかけられた。
「随分と遅かったわね。」
そこには玲奈の姿があった。
「お前、、何で…?いや、取り敢えず…今すぐここから離れろ。少し危ないから。」
「分かってるわよ。今からここでゲームするんでしょう?」
「は?…お前まさか、、ゲームの対戦募集してたのって…!」
「えぇ、私よ。それにしても、アンタもやってるなんて、意外だったわ。」
そして、スマホから音が鳴った。
画面には、<ゲームスタート!>の文字があった。
ガイスト×オルガナンス フェノン♬ @insanity
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ガイスト×オルガナンスの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます