私も、店員経験があるので「お店あるある」なエピソードに懐かしさと苦々しさを感じざるを得ません。しかし、女性の多い店は怖いですね・・・胃に穴空きそう。
アルアルでおもしろいです。登場者が動物なので、とてもほのぼのとした気持ちで読めます。大人から子供まで楽しめる作品です。
鶴丸衣料品店の新人店員猫野さんの奮闘記。希望の婦人服売り場ではなくレジ係にされてしまった彼女が、くせのある客や同僚・上司とのコミカルなやりとりを綴る。その語り口はあくまで穏やか、辛口ではあるがしごくまっとうな猫野さんの抱く不平や不満、困惑は一つ一つもっともなもので、読者も共感しやすい。そして、彼女の穏やかで丁寧な語り口は、読み手を不快にさせることがない。こんな日でも、いやこんな日だからこそ、読みたくなる優しい物語である。