第5話 死の聖域 前編

(はいここはそう呼ばれる場所です、おそらくそこのお二人はここであれば戦闘になれば、戦闘を仕掛けた側がやられると踏んでここまでこられたのでしょう)

とカーナビの音声に某パワードスーツ搭載AIのフライデーを混ぜたような感じで語りかけてくる。

「そういうことね」

分かりやすい例で言えば、某映画の祟り神に近い存在をイメージしてほしい

攻撃すれば呪われる近づいても呪われる、概念的にはそこに近い。

ふと気になったのでロウエンさんに声をかけた

「ロウエンさん」

焚き火を集めながらロウエンは答える

「なんじゃな?葵殿?」

「ここは死の聖域なんですか?」

「そうじゃよ、よく知っておられるな」

「魔法で知りました」

「そうかの、死の聖域という言葉はカートバウアー公爵領で深く情報を知るものくらいしか知らん」

「死の聖域とはいえ、聖域と名がつく意味があるということですか?」

「そうだ、ここには死をもたらす以外に特別な意味を持つ場合がある」

「悪意あるものが訪れれば死を、死を覚悟するものに答えをという特別な言い伝えがある」

「一つは理解できます、逃げてきた理由でしょうし、しかしもう一つが理解不能です」

「死を覚悟するものに答えをというのは実に単純じゃよ、今回の場合はわしらは追手から逃れるためにこの場所にきた、その答えがブラックキングヘビーモスの登場だ」

「つまり森はあなた方に死を望んだが、私が落ちてきたことで状況が変わったということですか?」

「そういうことじゃが、わしらにとっては望んだ結果でもある」

「そうですか」

「死体の装備は集まったかの?」

「はい一応、とりあえず3人で分けましょうかわけ終えたら死体を処理しましょう」

「そうじゃの、クリスティ!こちらに来なさい」

「はいおじさま」

「今から装備に浄化の魔法をかけるのでかけたら装備を分けていくの必要なものを持っていってください」

「わかった」

「分かりました」

と返事が来ると同時に装備に手を向けると同時に魔法AIに声をかける

(浄化系の魔法教えて?)

『浄化や清浄化に使うべき魔法はクリーン、ピュアリケーションです』

「クリーン」と唱えると魔力量調節がおかしかったのか、葵を中心に数百メートルの範囲にクリーンのオーラが広がり、周りの空気が一瞬で澄み切った。

「すごいの、装備だけでなくわしらや死体まで浄化されておる」

「ここまで大規模なものができる人はそうはいませんわおじさま」

「そうだの」

という言葉を聞き思っ切りミスったと思いつつため息をつく

(早いこと細かなスキル習得しないとな)

『森から脱出するために必要なスキル一覧を用意しておきますのでしばらくお待ちください』

とサービス心旺盛の声が聞こえたので、

(ありがとう)とお礼をしておく

戦利品一覧

・ハードレザー2枚

・脛当て、肘当て数組

・ローブ

・杖

・ロングブーツ

・ラウンドシールド

・バスタードソード

・ロングソード

・ショートボウ

・弓矢

・レザーアーマー

・ラウンドレザーメイル(鉄板をハードレザーに仕込んだ鎧の胴体部分)

他装飾品等多数

「私は、魔法ですのでローブ、杖、脛当て・肘当て・レザーアーマーを頂きますわ」

「ワシはハードレザー、ショートボウ、ラウンドシールドをもらおうクリスティの盾役も兼ねて」

「じゃあ私はとりあえずハードレザー・予備のロングソード・ロングブーツをいただきます残りは収納魔法で収納しますね?」

「収納かすごいの」

「収納」と叫びブラックホールを装備に被せるイメージで展開すると綺麗に装備等全てがなくなり、AIが『装備品及び貨幣の収納を完了しました』『一覧は皆すくして使えるように準備しておきますのでお待ちください』

(了解)

「さて、装備の配給が終わりましたしどうしましょうか?」

「ヘビーモスの死体は収納しないのですか?葵様?」

「魔力を使うので、明日にしたいのですが?」

「それもそうですわね、ヘビーモスを貫くレベルの魔力を使えばそうなりますね、すいません」

「いえ、そう言えば野宿できる場所は見つかりましたか?」

「見つかりました、こっちに浅めの岩穴がありましたのでそこで1泊と思いますがいかがでしょうか?」とクリスティはヘビーモスの死体の後ろ側歩いていくと岩場と小さな小山なった部分と洞穴と呼ぶにはギリギリ程度の雨宿りにはなるレベルものがあった、

「いいですね、とりあえずこれでなんとかなりそうですね」

「ワシはさっき集めた薪を取りに戻るついでに食えるものがないか探してくる」

「手伝いましょうか?」

「お主はじっとしておいてくれてだいじょうぶじゃよ、ヘビーモスの死体の魔力が抜けておらんゆえこの辺りは数日は何も近よらん」

「分かりました」

というとロウエンは、洞穴から離れて行った。

クリスティは、焚き火しやすいように簡単な石の枠組みをつくり始める

まわりを見る何本か竹が生えていたので竹に向かい適当に

「ウインドカッター」と唱えると竹が真っ二つに裁断される、落ちた竹を数本並べてウインドカッターを3回ぐらい唱えてそのまま9束くらいの竹の束ができたのでそのまま収納を唱えて収納する。

洞穴に戻るとクリスティが不思議そうな顔で「何をされていたのですか?」

「竹を裁断していました」

「竹ですか?何に使うんでしょうか?」

「飯・水用の器と枕がわりにしようかと思って」

「どうやって?」

「器は丸い竹を半分にしてクリーンをかけたら完成で、水用の器は端の方を裁断してクリーンをかけたら完成です」

「手伝えますか?」

「私のイメージでやるので大丈夫です」

「分かりました」

と会話を終え竹の器を作り始めると、薪を担ぎ、片手でキノコやフルーツらしきものを詰めた袋を持ってロウエンが戻ってきた。


後書き

死の聖域のパートの文章量が多くなってしまい調整に意外と時間がかかってしまったので前後半に分ける形に少々強引ですがまとめました、旅の詳しい様子だいぶ省いたので今回の分は間話で語っていこうかと思います、

後編は、異世界ものにあるあるなスキル取得と聖域をぬけ森を抜ける旅が始まります。

それではまた。







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異世界って本当ご都合主義(仮) 熊暁 翔帥 @kyureisi1214

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