総集編

第1章:プロローグ


主人公の酒井真奈美は、M&Aの世界にあこがれ、経営管理部からMA推進部に自ら異動を希望

山田チーフの指導を受けつつ、中小企業へ出資するプロジェクトに参画

ノンネームシート(匿名の投資概要説明書)を分析し、NDA(秘密保持契約)の準備を始める


■見どころ

・異動希望は人生を大きく変えかねないので、ものすごい勇気と覚悟が必要

・M&Aの出発点であるノンネームシートってこんな感じ♫という内容です


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第2章:NDA


NDAについて法務部担当の高橋小巻に相談

小巻は弁護士事務所から出向してきている同世代の優秀な弁護士

真奈美は小巻にいじられながらも学びながらNDA締結を完了


■見どころ

・小巻は真奈美のよき親友&ビジネスパートナーとなっていきます

 (のちに凸凹コンビと言われます。どっちが凸でどっちが凹?)

・NDAは最初に結ぶ契約書。NDAの争点も見ていただけると思います


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第3章:IM


IM(インフォメーション・メモランダム)を入手し、レビュー開始


真奈美は、IMに記載されている内容(コード名、エグサマ、会社概要、株主情報、事業内容、P/LやB/S、事業計画、ストラクチャ……)について、山田の説明(たまに無茶な質問)を受けながら吸収していく


■見どころ

・IMの内容と、分析するときのポイントを見ていただけると嬉しいです

・IMの情報をもとにLOI(意向表明)を提出するので、超重要です!

・あと、山田チーフの天然ドSぶりも徐々に発揮されていきます

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第4章:事業本部


真奈美は事業本部への説明資料を準備。得意分野なので順調に完成

真奈美自身が事業本部の片岡本部長へのプレゼンを実施。経営管理部時代からの経験もあり、プレゼンも順調に完了

対象会社(宮津精密)に面談を申し込み、出資だけでなく新規協業や事業貢献のネタを提案することを決定


■見どころ

・協業目線が重要な出資なので、事業本部のやる気を引き出すことが大事

・真奈美は無茶ぶりで説明役を担ったが、しっかりやり切りました!

・真奈美自身の意見(ネタ提案)も少しづつ出せるようになってきました

・あと、片岡事業本部長はすごくかっちょいいおっちゃんです♫


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第5章:マイアミ面談


真奈美は、面談資料準備を一旦完成させるが、山田からは『片岡本部長が社外に対するプレゼン』であることが想定できていないと指摘される

休日出勤もこなしなんとか満足いく資料に修正完了

宮津精密との面談実施。宮津精密の森社長と片岡本部長が事業協業に向けて意気投合

出資条件『プレマネー企業価値=90億円、今回出資10億円で10%』


■見どころ

・真奈美は、社内資料と社外プレゼンは違う視点で作る必要があるということを学びました

・事業本部長のプレゼンのすごみ!ぜひ感じてください。そして、トップ同士が協業に向けて意気投合すること、これが一番大事です

・宮津精密の企業価値が90億円、これはかなりチャレンジングな要望で、今後も苦労することになります

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第6章:意向表明


GWまで数日というタイミングのため、急ぎ意向表明提示の準備を開始

決裁者である自部門上司の鈴木部長が一番のハードルと知らされ、山田とともに鈴木部長への説得資料を作りこんでいく

バリュエーションについても、理論的な面から理解するよう努力を重ね、その成果もあり鈴木部長への資料は完成


■見どころ

・意向表明には希望譲渡価額を記載する必要があり、所謂バリュエーション(対象会社の価値を算出すること)が必要となる

・少し理論多めですが、バリュエーションについての説明が見どころです

・山田と真奈美の掛け合いもスリル満点?真奈美も勉強した成果の見せ所


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第7章:意向表明


幹部が評価する案件しか興味がない鈴木部長は、やはり今回の案件には乗り気ではなかったので説得には苦戦

しかし最後は事業本部の本気度を代弁した真奈美の一言をきっかけに、「シナジー具体化を示すこと」の宿題を受けつつも意向表明決裁を獲得し、意向表明の提出を完了


■見どころ

・真奈美は、事業本部の本心を見抜き「事業本部が数字を出してきたんだから責任もってシナジー実現するはずだ」と豪語しました。これは経営管理部で事業本部と向き合い続けてきた真奈美にしか言えないことでした

・逆に宿題をもらってしまいましたが、片岡本部長は「私が責任をもって実現する」と宣言。本部長の男気も素晴らしい。前半戦の見どころでした


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第8章:キックオフ


DD体制作りのため、社内メンバーを集めてキックオフを開催

真奈美はキックオフ進行を任され、しっかりとこなした

DDで見るべきポイントは、

 ①事業計画は現実的にはどうなるか

 ②シナジー効果はどの程度具体化できるか

 ③想定していないリスク


■見どころ

・この章から、本格的なM&Aプロセスに入ります

・そして、プロセスや会議の進行を真奈美が任されることが増えていきます

(山田チーフの策略です)


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第9章:DD


ついにDD(デューデリジェンス:対象会社をしっかりと調べること)がはじまりました。初日にマネプレ、その後4日間の現地集中DDです

マネプレでは、宮津精密森社長以下幹部がそろって会社説明

現地DDでは、ビジネスDDが盛り上がり、真奈美も質疑で活躍

一方、将来計画の妥当性については曖昧さを拭うことはできず

法務DDは小巻の強気の姿勢で順調に情報開示。財務DDは、ガードが堅く手を焼くが、岡野取締役に直談判し解決し、借りを作りつつも無事完了


■見どころ

・DDって何やっているの?の雰囲気をお伝え出来ていたらうれしいです

・DDは情報を出し渋る対象会社と出してほしい買収側との対立となりますので、山田による岡野との駆け引きで、貸し借りを作りつつクリアしていくところも見どころです


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第10章:DDレポート


真奈美は契約交渉の準備を開始


最終契約(DA)として締結する契約は、株式引受契約(SSA)と株主間契約(SHA)と、業務提携契約(これは事業本部に任せた)

小巻の協力を得て、SSAとSHAの交渉方針の案をまとめる。コンセプトは『協業維持・希薄化防止・EXIT』

DDレポート報告会では、意向表明時の上司(鈴木部長)から『シナジー効果について具体的に妥当性を説明すること』との指示を受けていたが、なかなか具体的な内容が描けないという課題が残った


■見どころ

・DD報告、契約交渉、それにむけて、真奈美がどんどん自主的に動き始めているところ。これが後半戦の見どころです

(もちろん、真奈美が放置されれば自分で動かざるを得ない性格であること見抜いている山田の策略でもあります)


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第11章:契約交渉


タームシートを用いて契約の骨子を決めていく真奈美と小巻

大きなポイントは表明保証とガバナンス規定、株式取り扱い

交渉1回目、2回目と続くが宮津精密からの歩み寄りはなく苦戦

宮津精密の岡野取締役から「折衷案の提案」の要求あり。真奈美はDD時に借りた恩を返すべく、折衷案を準備し、片岡本部長の了解を得た

片岡の発案で、片岡と宮津精密森社長のトップ交渉を実施

トップ同士の熱い論戦を経て、折衷案を提示。森社長もそれを快諾し、円満に内容合意に至った


■見どころ

・まずは真奈美と小巻の凸凹コンビの活躍を見てくださいw

・契約交渉なので、かなり専門的な内容になってますが、SPAやSHAの現場生生な雰囲気を味わってもらえればうれしいです。DDで作った貸し借りの清算も含めた折衷案の組み立ても、実務ではよくあるやり方です(詳しくは下の図ご覧ください)

・最後はトップの論戦と友好的な合意。最高のプロセスですね!


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第12章:経営会議


鈴木に出資伺いを立てるが、幹部からの評価を気にする鈴木はシナジーの具体化が抽象的であることから首を縦に振らなかった

真奈美は市場分析見直しを行い具体性を補完したうえで、改めて鈴木部長説得にリベンジ、加えて「事業本部が経営会議にて幹部の意見を聞く」ことを告げ経営会議に預けられた

経営会議にて説明・質疑応答をこなす山田と真奈美。無事に、経営会議を乗り切り、事実上の出資許可を獲得した


■見どころ

・この小説の最大の見どころです!

・幹部の意見ばかりを気にする鈴木部長の攻略が最大の問題。これを、鈴木部長との論戦をうまく誘導して経営会議預かりに持っていくテクニックは、大企業ありがちの社内プロトコルですw

・経営会議で、(係長の)真奈美が説明することに。そしてCTOから質問まで受ける。それを真奈美は「ええい、ままよ」の気合で乗り切ります

・そのおかげで出資の許可をもらえたのですが、もちろん裏で山田チーフや片岡本部長が根回しをしています。おそらくCTOの質問を促したのは片岡本部長の根回しですよね。真奈美は気づいていないかもしれませんw


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第13章:最終契約締結


鈴木部長が投資委員会で説明できるよう、真奈美は鈴木部長をサポートし、無事に投資委員会での決議を得る

同日夕刻、同じ部門の雑務をこなす中野の根回しにより、最終契約の締結が無事完了した


■見どころ

・M&Aプロセス(戦略立案や実行、交渉)に直接かかわっていなくても、重要な役割を担ってくれているスタッフがいることを忘れてはいけません。中野ちゃんは、最高のスタッフですので、強調しちゃいました♫


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第14章:クロージング


契約締結を終えたら、あとは宮津精密もFAも含め、全員でしっかりクロージングすることに全力を尽くします

小巻のヘルプを得て、無事にトラブルなくクロージング完了

会食にて、今回の出資を機にした片岡と森の事業協業への期待を表明


■見どころ

・クロージングの手続きについて、現場の状況・雰囲気を味わっていただけると嬉しいです。本当に、一つ一つの手続きのほんの数分が永遠に感じます。すべてがクリアされたときの達成感は、半端ないです

・それも、事業協業の道が開かれる、その期待感が高いから余計に感慨深いものですね

・真奈美が異動を決心した『M&Aで事業に奇跡を起こしたい』という理念、少しだけ達成できたようです(^^♪

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M&A日和(エムエーびより)〜マイノリティ出資編〜 どまんだかっぷ @domandacup

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