時速60キロの石焼き芋屋

Orepedia

時速60キロの石焼き芋屋

『プ~~・・・・・・プ~~・・・・・・』


外から懐かしい音が聞こえたので、急いで部屋のカーテンを開ける。

すると、物凄いスピードで石焼き芋屋の軽トラックが家の前を通り過ぎていった。

それにしても早い。

時速60kmは出ているだろうか。

このときふと私の脳裏に一つの疑問が沸き起こった。

「どうやって買えばいいんだ・・・・・・?」

こんなスピードで走られたら芋を買いたくて外に出たとしても追いつけないではないか。

石焼き芋を売る気はあるのだろうか?

いや、石焼き芋を売る気がないのだとしたら石焼き芋の音楽は鳴らさないでサイレント走行するだろう。

しかし、音を鳴らしながら爆走している。

なぜ?なぜ?なぜ?

私は深くこの謎を探求する。

するとどこからともなく声が聴こえた。

「何十年とここの住宅街回っても誰もでてきやしねえ。どうせ今日も誰も買わねえんだろ。さっさと販売率高い地域行かせてもらうぜ」

う~ん待てよ。

だったら最初からこの地域回らなければいいじゃないか。


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