没落寸前の実家を再興するためなら、婚約を破棄を選びます。

　ファブリアーノ男爵家の令嬢サラーメは幼くして、スキレット子爵令息と婚約していた。
　しかしこの関係は、スキレット・シーズニングからの婚約破棄という形で破局を迎えることになる。

　その日は唐突に訪れた。
　貴族の令息令嬢が通う魔法学園の中庭、大勢の生徒たちに注目された中で、サラーメの断罪イベントが敢行されたのだ。
　以前はあれだけ恋焦がれたスキレット、その彼からサラーメは断罪を受けている。
　事実無根の追及を受けたサラーメは、何故かただただ理不尽なこの断罪に反論しない。

　その全てはファブリアーノ家再興のため！

　サラーメは初めから断罪される覚悟を決めていた。
　かろうじて存続を保つファブリアーノ家。
　この爵位を養子に入った義弟に継がせるため、そして再興を果たすため、ただこれだけを実…続きを読む