第2話 世界中が私の敵 ~花山院楓~
私は
世界中でウイルスが
私が
家族全員が同じだと思っていた。しかしウイルスは父を殺し、母を殺した。祖父母までも殺した。姉は
どれだけ感染対策を
私は父の仕事を
新聞の情報によると、父の
その結果、父は
父の実質的な第一秘書は私。記事に記載されている秘書を名乗る者が存在しないことを知っている。父の側近と名乗る者は全員面識がない。報道内容に
父と家族を壊した者たちは年齢、性別、その他一切の情報開示を
数日後、父は接待を伴う飲食店関係の感染により死亡したと報じられた。祖父母と母、そして姉は、接待を伴う飲食店関係者とされた。役人と政治家は共に、父が感染の発端であると主張した。
そんな事実は無い。父は外食をしていない。スケジュール管理は私がしているし、毎日一緒に食事をしているから有り得ない。
だけれど死亡した者は、それが誤りであると主張や反論をしない。否定する者がいないから、事実として伝播し続ける。一方的に死体蹴りされ続ける——
何が国民のための政治だ。法律は、力がある者が保身や利権のために都合良く曲解し利用出来るようになっている。弱者が守られるようには出来ていない。
重症の姉、二十代女性は風俗嬢。
私は緊急事態宣言下でも風俗店を利用する父の娘。私自身はパパ活常習者であるという情報で、各種メディアが埋め尽くされている。
そんな事実も無い。
家族を失った。その上、誰にでも股を開く女として顔写真が名前とセットで拡散されている。私はまだ十五歳。仕事をできる年齢に至ってない。生きていくためには、デマ情報の通り身体を売るしかないのかもしれないとも本気で考えた。誰かが指示してくれれば、そうするだろう。
しかし、私に指示してくれる人はもう存在しない。
この先、どう生きていけばいいのだろう——
人権を廃止します あめ玉 @softbunk
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