#拡散希望 #誰も傷付けない表現

@HasumiChouji

#拡散希望 #誰も傷付けない表現

「あ〜、そなたは過失致死で、ざっと300人は殺しているので地獄行きだな」

 3日3晩、謎の病気で苦しみまくって死んだ俺は、あの世らしき場所で、閻魔大王らしき何かから、そう宣告された。

「ちょ……ちょっと待って下さい。身に覚えが……」

「そなた、twitterでこれをRTしたであろう」

 閻魔大王(多分)が、そう言うと、巨大な魔法の鏡に、あるtweetが表示された。

『#拡散希望 #誰も傷付けない表現』

 そして、白一色の画像が1つ。

「は……はい……確かに拡散した覚えが有りますが……その……それが……えっと……?」

「そなたが死んだのは、この呪いの画像を見たせいで、そなたが『過失致死でざっと300人殺した』のは、この画像を拡散したせいじゃ」

「あの……意味が判らなんですけど……」

「だから、注意していれば、これが、呪いの画像だと気付いた筈なのに、そなたは、その注意を怠り、拡散して、そなたのフォロワーを何人も殺してしまったのじゃ」

「どう、注意すれば、良かったんですか?」

「だから、その画像を良く見ろ。そなたは、それが白一色だと思っているようだが、本当にそうか?」

「えっ?」

 どう言う事だ?

 あれ?

 たしかに良く見ると、「注意して見ないと、白と区別が付かない白に近い灰色」の部分が有るような……いや、「注意して見ないと、白と区別が付かない白に近い灰色」で何かの文字が書かれているような……。

「では、もっと判り易くしてやろう」

 すると、巨大な魔法の鏡に、何故か、レタッチソフトのようなメニューが表示され、「色」→「自動補正」→「コントラスト伸長」。

「えええええっ?」

 「注意して見ないと、白と区別が付かない白に近い灰色」は黒に変換され、ある一文が浮かび上がった。

『これは呪いの画像です。阿呆が見た場合には、見てから3日以内に死にます。世界と人類にとって有害な人間を一掃する為、この画像の拡散をお願いします』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

#拡散希望 #誰も傷付けない表現 @HasumiChouji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ