第3話 Epilogue
206⚪︎年5月1日。私は夫に連れられて五稜郭公園にやってきた。まずは公園に入るのかと思いきや、先にタワーを登りたいらしい。何かを確かめるように公園を凝視した彼は、私をある場所まで真っ直ぐに誘導した。
石段をゆっくりと登っているときの彼は年甲斐もなく興奮した様子で、私を置いてスイスイと進んでいった。珍しく小走りをしたと思ったら急に立ち止まって振り返り、私の顔をじっと眺めてこう言った。
「君だったのか」
彼は私の手を取って、ゆっくりと歩き出した。そんな彼の優しい表情は妙に色っぽくて、私は年甲斐もなく焦ってしまう。
星形要塞で抱く桜色の焦燥 やすだ かんじろう @kanjiro_yasuda
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