第10話 第17部隊


次の日になり、私は帝国立第1軍大学の2年生になった

所属部隊は芥場部隊こと第17部隊




今日は新学期の始まりでもあり、入学式がある日でもある。当然、部隊ごとに仕事は割り振られている

私は第17部隊の作戦室に向かった


着いて思うんだけど外から見ても他の部隊より汚い気がする。最初の仕事が掃除とか嫌だなぁ……

‏そう思いながら中へとはいる。

いたのは成績不振の生徒数名と明らかに違う部隊の人そうな人がいる


「あんたが新しい指揮官?」

「ええ。そうです」

「なら、残念だね。こんな部隊の指揮官になって」

「そうですか?自由自在に出来て楽ですけど?」

「……は?」

「それに真面目にここに来た人が結構多くて助かります。成績不振になると行動も悪くなるのでね」

「……それは」

「さてと、自己紹介から行きますか。私の名前は紅月

希愛、2年生です。前までは第3軍大学のオペレーターをしてました。中期試験で優秀な成績を出したことでここに移されました。なのでオペレーターと指揮官の二刀流で行くのでそこんところよろしくお願いします」

「そんな人がなんで……?」

「それは秘密です。あっ、あと名前は書類を見て覚えたので私以外の自己紹介は大丈夫ですよ」

「……それで紅月指揮官。この役割ガチでやるんすか?」

すると彼は私に内容を見せてきた。その内容は式が終わるまで外を掃除をすることだった

「ふむ。やりますよ?」

「こんなの必要ないですよね……?普通」

「必要ありますよ?掃除の意味は2つあります。文字通り部屋を掃除すること。そしてもう1つは人を掃除すること。今回はその2つをしましょう」

「でも何か言われたら……」

「言われたらこう返せばいいんです。『掃除をしろと言われたけどを掃除しろとは指定されていなかったから全部やった』て言えばいいんです。屁理屈ができる命令をした奴らが悪いんですからね」

「紅月指揮官。あんたひねくれてんな」

「おや?喧嘩して殺しかけた赤光さんにだけは言われたくないですね」

「アンタみたいなやつがこの部隊を纏めるのに必要なのかもしれないな」

「さてと行きましょうか。をしに」






私たちは掃除道具を片手に持って、会場付近を掃除する。私は奴隷紛いなことをしてきたから掃除の腕は部隊一なのは見てわかる



すると赤光さんが1年生に絡まれているのが見える

それも数人にだ。すると1人の1年生が彼に殴りかかろうとした。すると赤光さんはそれを受け止め、腹蹴りを食らわした。見張りの第2部隊が駆け込んでくるがお構い無し。次は脛蹴りで体勢を崩させ頭を地面に押し付けた。その一連の速さと強さを見て怖気付いたのか逃げていった

私は赤光さんに近づき、声をかけた

「うわぁ。凄いですね。瞬殺」

「指揮官の言う通りしただけだ」

すると警備の人達が来た。めっちゃ怒っている

「てめぇら何しやがってる?!!」

「何をしてるって?お掃除しただけですよ?」

「掃除で暴力振るうやついるか!!?」

「別に我々はゴミを掃除しろと言われてませんし人を掃除しろとも言われていません。要はどっちもしろということでしょう?」

「んなっ!?それくらい察しで……」

「主語のない命令をした大学側に問題があるだけでしょう?それなのに我々が連れて行かれるのはおかしいですよね?」

「くっ……!」

「するともまさか、ねじ曲げるつもりで?ゴミクズ場の部隊のために曲げるなんてまるで強いと認めるみたいではありませんか!?」

「……くっ。ふざんけんな!!俺一人でもこいつらをやれる!」

すると殴りかかってくる。その拳を赤光さんは余裕で止めた

「なっ……」

「あら?あなた方も掃除しないとダメですか?」

すると彼を仲間が取り押さえた

「あんたが新しい指揮官か?お前のような知識のないやつにのし上がれるのか?たまたまあいつとの戦いで勝っただけで」

「私がした戦術や指揮を見もしないのに決定づけるなんてエリートコースの方々にもいるんですね」

「……何を言いたい」

「墓穴を掘るなと言ってるだけですよ。エリートの道はこの特殊科にいる全員に平等に機会があるものですからね」

「おっと!掃除をしないとですね。では失礼します。エリートさん」

私は丁寧にお辞儀した。目の笑ってない微笑みを向けて




しばらく掃除をしていたけど不審者は現れなかった

赤光がやった1年生はよくわかっただろう。先輩をバカにしては行けない。たとえ芥場部隊でも







作戦室に戻るとほかのメンバーが勢揃いしていた

みんな私を見て嗤っている


赤光さんが私を守ろうと背中に隠した

私は赤光さんにニコリと笑って前に出た。最悪、黒炎魔法でもぶっぱなせば大丈夫だろう

「8人の他にメンバーがいたんですね。赤光さん」

「紅月指揮官。あんた恐れとかないのか?こいつらは怒りに触れると酷い目に会うんだぞ?」

「酷い目と言っても殺そうとするほどではないでしょ?なら、全然大丈夫です」

「……え?」

「それにその前に赤光さんが抑えてくれるでしょう?」

「それは当然だが……」

「なら、大丈夫です」

「図太いが弱えーなァ」

「女犯して違法AV撮っている風樹さん。それをあなたが言える立場ですか?」

「なっ……!???」

「その子分達も同類じゃないですか?」

「へぇー。風樹。そんなことしてたんだな」

「そう言ってる姫宮さんも確かパパ活してるそうですね?」

「なっ……。どこでその情報を知ったの?!!」

「これでも人を脅すのは得意なんです。これも毒親のお陰ですね」

私は大笑いした。もちろん目は笑っていない。そんなの嬉しくなんてない。本当は普通に生まれたかったと何度願ったか彼らは知らないだろう。彼らは冷や汗と怒りを浮かべている


「もちろんその他の人たちも知ってますよ。詳しく。謀略も策略のひとつですからね」

そういうと問題児たちの動きが固まった

みんな怒っている。今にでも殺したいと思ってそう

「そういうことです。退学したくないなら大人しく私に従ってくださいね。一応、黒柳少佐に私に何があったら軍大学に伝えて貰えるようにしてありますから」

私は微笑んだ。我ながら悪役の演技上手すぎでしょ!


「………クソがっ!」

「詰んでやがる……」


「さてと。命令しましょうか。法に触ることをするな。軍大学の規則に違反するな。あと、明日からの訓練に参加しろ」

すると問題児たちのみんなは嫌々だけど退学したくないから了承した





「くそ紅月。お前なんで俺たちを脅して従えさせることにしたんだ?」

「ここに問題児全員、居たからです」

「は?」

「居なければ別に今すぐ脅すつもりはなかったですよ?全員が揃うなんてそうそうないでしょうからね。脅せるなら今だと思ったんですよ」

「…あっ??!!!!くそぉ!!!!来るんじゃなかったァ!!!」

「……可哀想な奴らだ」



「それに……、私もあなた達と同じです。私は幼い時から家族に虐待を受けてましたから。死の恐怖も親に裏切りる辛さも罵られ続ける苦痛も知ってますから。何となく救ってあげたいそう思っただけです」

「お前…………」

すると風樹さんは私の目を見てなんかを察したみたいだった



めっちゃ暗い雰囲気になってしまった。暗い話はあまりするもんじゃない

こういう輩には煽って元に戻すのが1番


「……まぁ?それでも人の道に外れてないのはメンタルお化けなお陰ですけどね!!残念ですわね!メンタル豆腐で!」

‎「んなっ!?!俺らはメンタル豆腐じゃねぇ!」

‎「メンタル最強部隊にでもなりましょうか?きっとその頃には見下してきたヤツらを見返して居そうですし」

「そう言ってメンタル豆腐部隊になりそう……」

「それは言うな。不知火。紅月指揮官に搾られたいのか?」

「そういう赤光隊長の秘密も知ってそう……」

「もちろん。全員の知ってますよ?他人には言えない恥ずかしい秘密も……」

「うわぁ……。最悪な指揮官だわぁ……」

「……なんと更に!!一つ、軽い命令違反すると恥ずかしい秘密を言われるのはいかがでしょうか?」

「嫌だァ!!!!」

「やめろー!!!」

「では皆さんよろしくお願いします!」



そう言って私は今日一の笑顔を彼らに向けたのだった

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指揮官の矜恃(仮) 響鬼 霊子 @Hibiki_Lay

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