EROSION
@incla
第一話 侵食
「お疲れー、また明日な。」
「なんだよ純一もう帰るのか?ボーリングしに行こうぜ!」
「悪いな今日は試験勉強するからパス、尚人も勉強しろよ」
俺「川瀬純一」は上原高校に通う3年生だ、1年の時からの腐れ縁の田中尚人と
はいつもこんな会話をしている
「俺は元からの頭で試験に挑むからいいの~。ま、勉強ならしょうがない、また明日な」
「おう、とりあえず尚人がまた赤点取るのは分かった。補講頑張れ、また明日」
学校を出てまっすぐ帰路を辿る
「この道人が多くないし少し自然があって好きなんだよな、、、」
「なんだこれ?誰かがゼリーでも捨てたのか?」
いつもの帰り道のど真ん中に例えるなら人の血液を少し固めたような濃い赤色の液体が落ちていた
「え?なんか動いてる?」
と思ったその瞬間
_______ ビュッ!!!!!
思いっきり俺に向かって飛んできた、顔面に張り付いたそいつは抵抗する俺の手をすり抜け、口や鼻から俺の中に入ってくる
「ごヴぁ、、あごゴホッ!!!」
「息が出来なぃ」
完全にソイツは俺の中に入ってしまった。
「おええぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!」
「気持ち悪い!!!早く吐き出さないと!!」
とっさに手を口に中に入れソイツを吐き出そうとするが
「ああああぁぁぁあああっ!!!!」
「体が熱ィ!頭が割レる!」
転げ回るうちに意識を失った、、、、、、、、
目を覚ました時あたりは真っ暗だった
「どうなったんだ、、、確か変なのが口に入ってそこから、、」
「なんともない?」
特に体に変わったことはなくひとまず安心する
「今何時だ?、、、ゲッ!!!23時!?」
スマホを開くと大量の着信履歴
中身を見るとすべてお母さんからだった
「やべえ!!急いで帰らないと!!!」
走って家に帰る
家に着くとそこには仁王立ちしているお母さん
「純一!!!!連絡もよこさないで何やってたの!!!!」
当たり前だが怒号が飛んでくる
「ごめん」
ありえないことだったし、話しても信じてもらえないと思い俺は黙っていることにした
「はあぁぁぁぁ、とにかく無事でよかった、さっさとご飯食べて寝なさい」
「はい、、、、、、、」
食事と風呂を済ませた俺はあれが何なのか考えながらベッドに入った
「体にはなんともないし、なんだったんだろう」
「ネットで調べてもそれらしいものは無かったし、まあ何か異常が起きれば病院に行けばいいか」
こうして寝ることにした俺
この時は考えもしなかった、この後世の中で起きる騒動と俺の身体の中に入ったアイツが及ぼす影響について
「ピピピピピピ」
目覚ましの音で目を覚ます
「朝か、、、、ほああぁ」
重い腰を上げお母さんがいるリビングに向かう
「おはようぅ、、、」
「おはよう、あなた今朝何やってたのよパソコンなんかずっと弄っちゃって」
「え?昨日はご飯とお風呂を済ませた後すぐに寝たよ?」
「嘘おっしゃい、昨日様子がおかしかったから朝覗きに行ったのよ、そしたら熱心に調べものなんかしちゃって」
「おかしいな、寝ぼけてたのかな?」
ふとテレビのニュースを見る
内容はとある会社の役員が全員行方不明というものだった
「集団で行方不明なんて珍しいわね、誘拐?あなたも気をつけなさいね。昨日みたいにあまり遅くまで出歩かないこと」
「わかったよ、俺そろそろ行かないと学校遅れる!」
お母さんの忠告を受け学校に向かう
歩いてる最中あることに気が付いた
「あれ?やけに匂いに敏感になった気がする。」
普段気にならなかった、通学途中にすれ違う人の匂いが酷く俺には感じられるようになっていた
その上なんでかどの匂いがどの人から出ているかまで正確にかぎ分けることができた
「どうなってんの?」
違和感を覚えつつ教室についた
「おはよう~」
「おう!純一顔色悪いな何か変なものでも食ったか?(笑)」
「いや昨日、、、」
_____ガラッ
「おい、誰か水村から連絡もらってるやついるか?」
教室に勢いよく入ってきたのは担任の桐生先生だ、いつもより心配そうな表情だった
「アイツ昨日授業終わってすぐに帰りましたよ」
「そうか、実は昨日の夜から家に帰ってないらしくてな、親御さんから連絡がきたんだ、何か知ってる人がいたら教えてくれ」
先生がまた教室を出てクラス内がざわつく
「どうしたんだろうな、誘拐かな?」
「最近物騒だもんね、今日だって集団行方不明のニュースやってたもんね」
「怖!誘拐だとしたら犯人の目的なんだろうな」
色々な話が飛び交う中、尚人は
「どーせずる休みとかだろ?心配いらないって!」
「気楽だなお前は」
この時なぜか俺は少し気になり何もないことをずっと祈っていた
のちに大きな事件が待っているとも知らずに、、、、、、、、
第一話 侵食 完
EROSION @incla
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。EROSIONの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます