なんて不毛な恋だったのでしょうか4

「待たせたな!!聖!!!」


そう言って、聖のもとへ駆け寄る。



「ふうん。じゃあ行こう」


そうして、後ろを向いたのだが、彼が優しいということを知ってからは、それすらも、良い面に見える。




「ああ…!!」




「…どのへんにその…ハルトってやつはいるの?」





「…!!!!…すまん!!!!わからんな!!!!」


「はあっ?!知らないの?!」



最初っからやらかしてしまった。



「うっ…すまん…。…………とりあえず、居そうなところに行こう…!!!!」



そうして、ハルトくん探しの旅が始まった。










「うーーーん…ハルトくん、居ないな」


まず行ったのはハルトくんの家。


家の人に尋ねると、「ハルト?まだ帰ってきてないわね。多分デパートに居るわよ」と言われた。



デパートに行くと、


「どこだ!!ハルトくん!!!」


「とりあえず迷子センター、とか?」


「そうだな!!!」


館内放送で流してもらったが、ハルトくんは来なかった。


「うーーーーん。どこに行ったんだ…。」


「お嬢ちゃん、どうしたの?」

80歳ぐらいの女の人が話しかけきた。


「知り合いを探していてな…」


「どんな人?」


「ええと…かくかくしかじかな人だ」


「ああ!それなら、さっき見たわよ」


「ええ!!!なんだって?!どこに行ったんだ?!」


「えーと、」


続けて老婆は言う。


「○○市、だったかしら」


「!!!!!!」


驚いた。



「あ、ありがとう…教えてくれて…」


声が震える。




「…?どうしたの、闇音」



「いや、なんでもない…。」

一呼吸置き、

「よし!!!行くぞ!!!!!○○市に!!!!!」


「は、はあ?!めっちゃ遠いじゃん!!!」



「そこにハルトくんがいるならわたしは行くぞ!!!聖は会いたくないのか?」



「いや、そういう訳じゃ…」





「じゃあ、決まりだろう!!!」


「…はあ」



「ハルトくん…!!!ここか?!」



急いで、○○市に来た。そして、ハルトくんとの、あの、場所へ急いだ。




「ハルトくん…!!!!!どこなんだ!!!!」



足が痛むが気にして居られない。ハルトくんに早く合わなければ!!








「闇音ちゃんは…もう…忘れたのかな…?あの日、誓ったのに…どうして…………?」










「ハルト君!!!!!!」


やっと見つけた。





あの山に居た。





「…………………!!!闇音、ちゃん……?!」



「ハルト君…ごめんな!!わたしが、わたしが悪かった!!」


ハルト君は傷ついた顔をしていた。




「わたしが、ハルト君の事を裏切ったんだ…。捨てられてもしょうがない…でも、わたしには、ハルト君しか居ないんだ…!!!」



「闇音、ちゃん……。僕も、闇音ちゃんしか居ないよっ…!!!」


抱きしめられた。




久しぶりのハルト君。






ああ、やっぱりわたしにはハルト君しかいない。










そうして、キスをーーー











「とでも思ったか??」



「お前がハルト君の偽物だってことぐらいわかっている!!!!!」



そう言って突き放すと目の前の偽ハルト君の目が赤くなった。



予想通りだった。






「聖!!!頼んだ!!!」



茂みに隠れている聖に声をかける。


「わかってるって!!!!」


そう言いながら草むらから飛び出した聖は偽ハルト君に斬りかかった。



「ふ、バレてしまったか…!こいつの身体は便利だったんだがなあ」


といいながら、奴は軽く聖の攻撃を避けた。



「はぁっ?!避けられた?!」

驚いている聖。




「まあ、目的は達成したから良しとしよう!」


そう言って奴は目を閉じた。



どさっ




地面にハルト君の身体が倒れたので駆け寄る。



「ハルト君…!!!」



「ちっ……逃したか…」






「ハルト君の身体を乗っ取るなんて、許せない…!!!!!!!!」



そう言ってハルト君の身体を抱きしめた。







「やみね…ちゃん…?」




「ハルト君…!!!大丈夫か…?」



「ここは…どこ…??」




「ハルト君、もしかして記憶が…?!」


そう思い、問いかけをした。



「ハルト君、捜し物デート覚えているか?」



「捜し物、デート?変なデートだね。僕だったら、そんな、デートしない、よ」



「…ハルト君!!!」



これは本当のハルト君だ。



わたしのハルト君だ!!







「はぁ…じゃあ俺はこれで」



「あ、聖、ありがとう…!!!ハルト君を、救ってくれて!!!!」




「…別に…都合がよかったから、協力しただけだし…///」



やっぱり彼は褒めると赤くなるんだなあ、と思った。




「と、とっと家に帰ったら?!もうすぐ暗くなる!!から!!」


と、言われてしまった。



「ははっ!!そうだな!!!帰ろう、ハルト君!!!」


ハルト君に手を回し、立ち上がらせる。





「じゃあな!!聖!!!!!」


不毛だったあの恋にも別れを告げて。





わたしは、ハルト君にすべてを捧げよう。


(I will devote my love to you.)







「ねえ、闇音ちゃん」

「なんだ、ハルト君」











「あの男、だれ?(怒)」











「あ……それは、だな……………」


「ちょっとお話しようか、闇音ちゃん?」





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その美しさに意味は無い 闇音 @yamine0101

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