第3話 Vtuberはじめました!!

リンダちゃんと再開してしばらく経ったある日・・・。



「あのさ、リップさん・・。」

「何?」

何か言いたげにリンダちゃんは私の前に姿を現した。


「リップさんってゲーム配信しているじゃない?」

「そうね。やってるけど?何か??」

「私もやりたいんだけど!」

「はぁ?????」

僕はとても困惑した。というか、何を言っているのか理解に苦しんだw


「え?はぁ??だってリンダちゃんって幽霊だよね?実体がないじゃん?どうやって??」

「実体?体ならリップさんのがあるじゃん。」

「はぁ?」

「だから、リップさんの体を借りて配信すればオールOK!!」

そう言ってリンダちゃんは満面の笑みをする。

しかし、その笑みは恐怖すら感じた。



「じゃあ、動かないでね。動いたら痛いから。」

「は?ええ?ちょっと意味がわからないん・・・。」

次の瞬間。体中に電流が流れるような感覚に襲われた。


「OK!成功したみたいね。こんな簡単にいくとは思ってなかったけど・・・。」


「とりあえず、配信で顔出しは嫌だから・・・。そうだ!今、Vtuberってのが流行っているのよね。それをやってみようかな。」


リンダちゃんは僕の体を使って作業をしている。

不思議だが・・・。僕の意識は意外とはっきりしている。例えるなら頑丈な壁に抑え込まれて前に出られない感じだ。


「ふむふむ。Vtuberになるのはとりあえずソフトが必要なのね。とりあえず、買うか。あと、声もリップさんの声じゃ嫌だからボイスチャンジャーもね。」


(おい!僕のクレジットカードで散財するんじゃないよ。全く最悪だ・・・。)


因みにリンダちゃんが買ったソフトはフェイス・リグ有償版と言うもので、カメラさえあれば誰でもVtuberになれる優れものである。


「これで良いのかな?じゃあ、アバターを決めていくかな。」


 30分後・・・。


「う~ん。あまりピンとこないな・・・。おお!これ良いじゃん。私が本業のときに使う顔に似ているじゃん☆これにしようっと。とりあえずこれで準備はOKね。早速配信って言いたいところだけど・・・。まずは動画にしようかな。」


(うわぁ。意外と堅実w)


それから、1時間後・・・。


「リップさん起きて!起きなさいよ!!」

「ああ。リンダちゃん・・・。あれ?体が元に戻ってる。」


とりあえず僕は無事に元の体に戻って来た。というか意識は体の中に押し込まれていたけども。


「じゃあ、後は編集お願いね。」

「え?僕が編集するの??」

「当たり前じゃないの!私が出来るわけないでしょうが!!明日までに終わらせておきなさいよ。」


そう吐き捨ててリンダちゃんは姿を消してしまった。


「しょうがないな。じゃあ、編集するか・・・。」


僕は渋々リンダちゃんが録画した動画を確認した。


「え?なにこれ?」

正直言って驚いた。しかし、それと同時に悔しかった。


「リンダちゃんって動画撮るの初めてじゃなかったっけ?初めてだと思えないだけど。彼女は天才か?」


僕は今まで以上に編集に力が入った。リンダちゃんの良さを消さないように、リンダちゃんのトーク中は敢えてカットを少なく、それ以外の余分なところはバッサリ切っていくことにした。


どのくらい編集に時間を費やしただろうか。しかし、編集が終わり。これなら絶対いけると僕は確信した。



しかし、1つだけリンダちゃんには問題があった。

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リンダと僕 幽霊だってVtuberになりたいんだもん☆ リップ・ヴァーン @ripvan

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