虐めていたアイツが実は地球侵略を狙う宇宙人や宇宙海賊、奴隷商人から地球を守っていたなんて

@cva59kik

史上最強の生体兵器

「速力さらに加速、突っ込んできます」


「右舷、対空砲強化」


ドカンッ


「戦艦、タルバトロン大破、航行不能」


「救援急げっ」


「主砲、斉射っ」


光の束が飛んでいくが


「命中するも、効果なし」


「来ますっ」


ドンッ


「サイドメアラ、沈みます」


「タイラルラント、大破」


「馬鹿な、タルミスリ装甲だぞ」


「目標旋回、来ますっ」


ドガガカンッ


「空母、タリスクリス炎上、救援要請です」


「くそっ、撤退だ」


「各艦、乱射し、追撃を阻止しろ」


あの青い星


目と鼻の先にあるあの星


征服の為に大量の奴隷戦闘兵にアンドロイド部隊、ロボット兵部隊に大量の兵器まで用意したというのに


くそっ


「主砲旋回、あの星を撃て」


「しかし」


「一発も撃てずに、撤退できるかっ」


「我らは漆黒の帝国と呼ばれた存在なのだぞ」


「目標っ、再び来ますっ」


ドガカンッ


「タロスティ、大破」


「タロス奴隷商会と思われる戦艦群、撤退していきますっ」


商会の戦艦群も次の標的にされたらたまらないと進路を変更したのだろう


おおかた我々が星を征服したらおこぼれにでもあずからろうと考えていたのだろう


しかしっ


「くそっ、たかが兵士一人にっ」




こうして帝国の2度目の侵攻作戦も失敗に終わった









担任の吉川先生が教団に立って椅子に座る僕達を見下ろして言う


「みなさんにお知らせがあります」


「いままでお友達だった、山内健人君はこの度、転校する事になりました」


「みなさんにお別れが言えませんが、よろしくとの事でした」


みんな椅子に座って黙ってその話を聞いていった


女子も男子も




しかし一部クラスメイト達はクスクスと笑っていた


僕たちは知っていた一部のこのクラスの金持ちとその取り巻き達があの子をイジメていたことを


そして先生たちが親に気兼ねしてそれを見てみぬふりをしていることを


たしか親はここあたりでは大きな工場かなんかを経営していたはずだ


僕はぽっかり空いたその席をただ見るだけだった








「なにっ」


「奴が消えただと」


「はっ、先程 、超高速で惑星からこの惑星の衛星をかすめてかなたに飛び去るのを確認いたしました」


「かなりのステルス性能なのか、かすかに捉えられるだけでしたが」


「いったいぜんたい、いきなりどうしたのか」


「本当にただの風来坊だったというのか」







「まあいい」


「障害が消えたというのなら侵攻作戦を再開するだけだ」


「はっ、またそれにともない奴隷商会の戦艦、重巡洋艦、及び超大型揚陸輸送艦群も再び惑星に接近しております」


「まぁ、かの惑星の科学力では探知不可能でしょうが」


「くそっ、抜け目ないやつらめ」


「早急に征服するぞ」


「帝国の名に泥をぬれんっ」


「はっ」






その日に僕はお父さん、お母さんと川の字になって家で寝ていた


そんな時だった


ドンッ


ドンッ


ドカンッ



変な音で目が覚めたのは


ドンッ


ドンッ


誰かが大きな花火でも打ち上げているのだろうか


そんな音だった


なんだろう


僕は家の外に出て様子を伺うことにした



「えっ」



街がっ



街が、燃えていた


家もマンションも、そして遠いとこにあるビル群も



そして



空には無数の飛行物体


そしてときおり、真すぐとした光が降り注いで


その度に爆発が



僕は慌ててリビングのテレビを付けた


ザアァァァァ




何も、映ってなかった


なにかやってるはずなのに


どのチャンネルにあわせても砂嵐だけ


「きゃああああ」


悲鳴が、悲鳴が聞こえた


慌てて飛び出すと




あれは、


ロボットっ、なのっ


人間のようなそれでいて全身が金属で出来ているモノが



こんなもん、いままで見たこともっ




それがっ


なにやら銃のようなものから光が出て



それが当たって、建物も電柱も壁も吹き飛ばしていたっ



もう一体は出てきた近所の人達を腕を掴んでどこかに連れて行こうとしていた


すごい力なのか大人の人なのにずるずると引きずられていく



その人は激しく暴れていたけれど


もう一体がまたあの銃で撃つと、すぐにっ、動かなくなって


そこらへんに、捨てられちゃった




「さとる」


「父さんっ」


お父さんが家から飛び出してきた


「街がっ、街がっ」


僕は恐る恐る、父さんに話しかける



「今はもうっ」


「逃げるぞっ」


そうしてお父さん、お母さんと僕は脱皮のごとく家から飛び出しました




逃げる途中


過程にはいろんなものを見てそれはショッキングなもので




大勢の倒れてる人


破壊された車やバス


炎上する建物、傾いたビル




そして




空を見上げればみたことない戦闘機



ビルかとおもうくらいの巨大なそらとぶなにか



そして空を飛ぶ人形のなにか、そして輝きを増すなぞの光線



そんなのが次から次へと









たどり着いたのは災害時の避難先に指定されていた近くの公民館



しかし、居たのは数人の大人だけで


しかし、だれとも通じずテレビもラジオも壊滅状態で


詳しい情報はなにもなにも



いたのは僕たち家族


そして市役所の人にあの山内君もいた


大人たちは絶望なのかなんなのかみんな沈み切っていた



そんな中


クラスメイトの川井田君のお兄さんもいてその飛行物体が飛び交う空を見上げていた



僕たちは映らなくなったテレビのチャンネルをかえたり聞こえないラジオをいじったり


繋がらない携帯をさわったりしていたけど




ふと川井田君のお兄さんが山内くんに向かっていた



「出来るねっ」



なんのことだろう



僕たちは自然と山内くんと川田君のお兄さんの周りに集まっていた


「でっ、でもっ」


山内くんは何かためらった様子だったけど


「出来るっ」


「大丈夫だっ」



そう言って川井田君のお兄さんが山内くんの頭をなでた










川井田君のお兄さんが山内くんに大きな外套をかぶせる


そして、やさしく頭をなでて


山内くんはちょっと不貞腐れているようで頭をブンブンと左右に振るだけで


「これで、ほんとうに」


そう言って、山内くんは


公民館の外に駆け出すといのまま地を蹴ってあっという間に大空にすさまじい速さで飛んでいき


川井田くんのお兄さんはいつまでもその青い空を眺めてた










「状況はっ」


「はっ」


「惑星の占領率は99.7%」


「なお、すでに大量の原住民の移送を開始」



「ふむ」


「反撃は」


「原住民の軍隊が反撃しておりますが、科学力、軍事力ともに問題にならず粉砕」


「また先程、彼らのいう核ミサイルなるものが数ヶ国から発射され、命中しましたがこれも被害皆無です」



「よろしい」


「さらに作戦継続せよっ」



「はっ」


「さらに、アンドロイド軍団、投下しますっ」




「いえっ、待ってください、何かが」



ドカカンッ



「戦艦アルゲイドン、大破」


「なにっ」



ドドドンッ


「重巡洋艦、クリスバニイ沈みます」


「なんだとっ」


「旋回、来ますっ」



「大型輸送母艦、シリスアイダ大破、航行不能」


「駆逐艦、ハイキューリーズ撃沈」



「何がっ」




ガガガアッ


「空母タルシミイス、沈みます」


「艦載機群、壊滅」


「対空戦闘」




ドカアアンッ



「戦艦エンペリッシュ、主砲塔が、艦から分離していきます」



ドオンっ




「タロス奴隷商会、戦艦群に被害があったもよう」


「数隻が炎上、または大破」


ドガアアンッ


「タロス奴隷商会、超大型輸送艦数隻、大破」


「地上に戻りつつあります」





ドカアアンッ


「まさかっ、奴がっ」


「対空砲、効果なし」


「主砲、命中するも、効果なし」



「巡洋艦アルバルト大破、そのまま旋回してきますっ」



ドカンッ



「機関部、第三機関まで損傷」


「第一主砲、第二主砲、損壊」


「右舷対空砲、損壊」


ズガガガンッ


「艦載機射出口、大破」


「魚雷発射口、大破」



ガガガアンッ


「きゅ、救援に来た駆逐艦、サイドアルベイっ、げっ、撃沈っ」



「タロス奴隷商会、戦艦群、惑星から離脱していきます」





「くそっ」


ドカカカンッ



「戦艦アルタイバイドア、大破」



ドガンッ


「支援艦、エスンピリッツ中破、離脱中」






「撤退だっ、撤退するっ」



「可能な限り、あの惑星から離れろっ」


「展開中の部隊も、瞬時にまとめ撤退させよっ」


「輸送部隊もだっ」




「はっ」





圧倒的に優勢だった彼らは度重なる損害に耐え切れず撤退していきました


街は、世界は、すごい被害で



でも世界は









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