第二話 俺らが五体満足でいたいのさ

「はぁぁぁぁぁぁぁあ…」

俺が大きなため息を吐くと隣からゴホンっと咳をされた。

俺の隣にはギルドマスターであるカザックが居る。

今回の件で一緒に呼び出された。

カザックは見た目はムッキムキのマッチョで頬には大きな傷跡がある如何にもギルマスって感じの屈強な男だ。


「こっちがため息つきたくなるぜ…元々新規ダンジョンが出来てなかなかクリアする奴が居ないからお前に任せたらまさか倒したダンジョンボスが魔王とか…有りえねぇ…」


それはこっちの台詞だ。

俺だってあんな弱いのが魔王であってたまるか!!

しかし、エンペラースライムがスライム族の中で一番強い種類なのは事実である。

でも、それだけではエンペラースライムが本当に魔王種とは判断出来ない。

そんな判断出来ない時にもう一つ判断する方法がある。

それがモンスターから魔石が出てくるか出てこないかだ。

どんな弱いモンスターでも基本魔石が出てくる。

そして、倒したのモンスターが強ければ強い程魔石も大きくなる。

そして、魔王を倒した場合は魔石ではなく魔石を更に凝縮され研磨された美しい巨大なクリスタルが出てくる。

勿論俺も倒した後、巨大なクリスタルを拾ってギルドに見せると魔王だったと判明されたって訳。

俺は普通にちょっと綺麗な魔石だと思ってたから違ってたのですげえびっくりした。

魔王とか初めて会ったし、初めて倒したからな。

でも、あんなに弱くても魔王ってやれるのだなぁと感心し、この事で魔王にもピンからキリまであるんだなぁと勉強になった。

直ぐに忘れると思うけど。


ああータバコ吸いてえー


「心の声が漏れてるぞアッシュ…」

「あ、さーせん」


あらあら、心の声が思いっきり漏れてんなぁ〜

でも、事実だから仕方ない。

流石に王宮の客室ではタバコなんてもん吸えるはずがないし。

もし吸ってみろ、周りの騎士に俺の右手が斬り飛ばされるぜ。

俺は五体満足でいたいのさ。

いつ不敬扱いされるか分からない状況下で下手な事はしない。

死にたくねえし。

俺は早く終わって解放される事を祈しか出来なかった。


「お待たせしました。謁見の準備が出来ましたのでお越しください。」


やっと謁見始まる〜

さっさと終わって酒呑みてぇー




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元英雄の日常ほのぼの日記-魔王を倒したので土地を貰ってのんびり隠居暮らします- @poiful7nanase

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