第一話 早く謁見終わって帰れてえ

豪華展覧な客室のソファに一人の青年が座っていた。


その青年の名前はアッシュ。

茶色い髪に茶色い目のごく普通の見た目でこの部屋には似つかわしく無い地味な男だ。


自分で言ってて悲しくなる。

何故俺がこんな所にいるかと言うとこれから俺はノースランド王国の国王陛下に謁見しなければならない。

何故そんな事を俺みたいな奴がしなきゃ行けないのかって?

まあ、俺がやからしてしまったから仕方が無いのだ。


何をやらかしたかって?

それは俺が魔王を倒してしまったからだ。


俺の暮らす国がある大陸には人族と魔人族のニ種類の人種に分かれていて、魔王は魔人族の王の名称である。


魔人族にはいろんな種族に分かれ、その種族事に王が居て、その王を全員魔王と呼んでいる。


つまり、魔王にもピンからキリまで居て、強い魔王も居れば弱い魔王もいる。


そして俺は偶然冒険者家業の受けた依頼が新しく出来たダンジョンを探索し、攻略せよとの何とも横暴な依頼を受けさせられて仕方なくこなしていると、ダンジョンボスとしてスライムの王 エンペラースライムと遭遇してしまった。


この世界のスライムはとても弱く、初心者冒険者でも倒すのは簡単なモンスターだ。

しかし、スライムの王ともなると流石に少しは強いがまあ、倒せない程でも無いので倒してしまった。

そして、あろう事がこのエンペラースライムこそ魔王だったと言う訳。


信じられないでしょ?

魔王な事も信じられないし、魔王が下っ端冒険者に喧嘩売って来るとは思わなかった。

だから、大した奴じゃ無いと思ってしまい、思わず喧嘩を買ってしまってエンペラースライムをフルボッコしちゃった。

喧嘩を売って来たあいつが悪い。

しかも、想像よりも強く無かった。

少しがっかりしながらギルマスに依頼報告したら周りが慌ただしくなって何事か?と思ってたら倒したモンスターがまさかの魔王だから国王陛下に報告しにいかなければならないと大慌て。


マジか…


恐ら国王陛下に謁見しに行かなければいけなくなるだろうと宣言されてガッカリしてしまった…


そして、今に至る。

今は謁見までの時間待ち。

そして退屈である。

まあ、働くの嫌いだから働かなくて良いのは有難いがこの緊張する様な空間に缶詰にされるのは本当に嫌だ。

周りには監視兵が配備されてるから落ち落ちうたた寝すら出来ない。

早く謁見終わって帰りてえ…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る