最終話
「あの二人、うまくいったかしら」
「えっ?」
実は外では松島と男鹿が待っていた。お疲れ会をこの後やる予定なのだ。
すると男鹿は松島の前に立ち
「あの、松島さん……」
「なあに?」
「……別れたくないっす」
「……」
松島が男鹿の手を握った。
「ケジメは、ちょうどわたしがここに入って25年だったから。それがケジメ」
「えっ」
「辞めたからと言ってあなたとは別れるとは言ってないわ……」
男鹿は手を握ったまましゃがみ込んだ。男泣きしている。だが二人の関係はあくまでも不倫、なのだが。
「どう? 鉄平くん、二人の関係はわかった?」
「……そ、そういうことなんですね」
鉄平と御影の二人はゴールからこっそり見ていた。
同じく手を繋いで。
この迷路屋敷メイズ、いろんな想い、いろんな目的、いろんな気持ちでいろんな人が一人で、友達と、家族と、恋人と、そうじゃない人と、訪れる場所。
それぞれが物語の主人公。だが入る人だけでなくそれを見守る人たちの物語もあってもいいのであろう。
終
メイズ〜とある迷路屋敷にて〜 麻木香豆 @hacchi3dayo
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