主人公が運営するサイトに連日投稿されるコメント。読者の少ない主人公にとって「コメント有り」という通知はうれしいものだった。しかし、どんなコメントが書き込まれたのか、それを読むことはできない。主人公が確認するまでに消されている。
内容が気になる主人公。ある日、タイミングよく消される前の文面を読めたが、それは更なる謎への序章に過ぎなかった……
カクヨムで投稿されている方はもちろん、自分でサイトを運営されている方の多くが読者のコメントに一喜一憂するもの。
しかしそれが読めないとなると、本作の主人公のように気になって仕方なくなり、投稿のモチベーションにも大きく関わってくるのではないかなと感じました。
もしかしたら、あなたの作品に寄せられるコメントにも……
うっかり、いいねやRTを誤タッチし、慌てて消す。SNSをやっていれば誰もが経験することだと思います。
ところがそれが感想欄への書き込みとなると、うっかりではないと考えるのが普通でしょう。
その現象が、主人公の書いているネット小説に現れてしまいました。
いつもはタイミングがずれて読みに行く前に消されるのに、この日ばかりはリアルタイムで書き込みをみてしまい……。
感想ひとつひとつが意味ありげで、隠された意味があるのかと、主人公と一緒にゾッとさせられました。
最後に彼がとった行動はこれしかないというもので、同じようにネット小説を書く人は、怖さと同時に後悔が伴うものかもしれません。
それで話が終わればよかったのですが、この先にもう一捻りした結末が待っています。
次に体験するネット小説家は、あなた、かも、しれませんよ……。