第31話「ジーク」

 火災中のビルは最上階にも炎がまわり、窓を突き破ってビルの壁から立ち上る炎が四方を取り囲んでいた。来場者たちは屋上でかろうじて生き延びていたが、炎が彼らを飲み込むのも時間の問題だった。

彼らに残された唯一の望みはタイカだが、彼は「ちょっと待ってて」とだけ言い残して飛び去ってしまい、今のところ来場者の不安を拭う手助けにはならなかった。

 そんな中、来場者の一人が「あ、あれ!」と言って海の方を指さした。周囲の人が指の先を追うと、炎の遥か向こうからゆっくり近づいてくる細長いものが見えた。それは街の灯りに照らされて次第にはっきりとしてくる。

「…。橋?」

 それは異様な光景だった。橋が空を飛んでいるだけでも唖然とするのに、それが近づくに従って周囲に立つビルとの対比で、その橋らしきものが想像を遥かに超える大きさだと気づく。

路上の人々はもちろんのこと、屋上の来場者さえ火事のことも忘れて呆然と橋を見上げる中、タイカはゆっくりと降下していくと、火元のビルと通りの向かいに立つビルを繋げた。

両方の屋上は橋を支えるだけの強度を持っていなかったが、タイカは橋の中央に立つと、両手から送り出すフォースフィールドで両端の質量を減らしながら、来場者に向かって叫んだ。

「渡ってきていいよ! 慌てなくても十分間に合うからね!」

恐る恐るではあるものの、避難者たちはタイカに促されて橋を渡り始めた。


 次の日のニュースはどこもタイカの話題で持ちきりだった。火事の現場とベイブリッジの双方で大勢の見物人が動画を撮影したため、それらの映像で3Dのモデリングができそうなほど、多様なアングルで一部始終を記録していた。

 時間を追うごとに勢いを増す炎、夜空に立ち上る黒煙、緊急車両のけたたましいサイレンと、落下物が路上に激突するたびに起こる野次馬たちの悲鳴。

 映像の前半は災害現場でありがちな光景が繰り広げられるだけだったが、タイカが登場してから状況が一変した。ビルを見上げていた人々の映像には、突然現れた橋がまるで宇宙人の巨大な船のように舞い降り、ビルの間にかけられた。上空のヘリコプターからはその橋を渡って避難する来場者と、橋の中央で仁王立ちになっているタイカを映し出した。来場者の中にはタイカの肩を叩いたりタイカに抱きついたりして、感謝や喜びを現す人もいた。それが、映像を視聴していた人々の共感を一層引き立てた。どんな苦境に立ったとしても、タイカが現れれば救われるかもしれない。日本中にそう思わせた。まさにジークが言っていた通りだ。

 いや、「言った通り」というよりは「思惑通り」と表現したほうが適切かもしれない。今となっては、ジークはタイカに対して都度助言を与えているのではなく、彼自身の目的を達成するためにタイカを誘導しているような、そんな一貫性を感じていた。そして、それは必然的にある予感へとつながる。つまり「これは彼の戦略の一部なのではないか?」という漠然とした直感だった。

(彼は何が目的で、僕に手を貸しているんだろう)

 橋の中央で仁王立ちのまま思考の連鎖を繰り返しているうちに、そんな考えが頭をよぎった。一度よぎったが最後、好奇心の塊であるタイカの欲求に火をつけるのは簡単だった。

(そういえば、僕と会っていない間、彼はどこで何をしているのだろう)

 気づくのが遅すぎるといえばそれまでだが、タイカはようやくジークという人間そのものに意識を向けるに至った。そして、それからはジークの行動にも興味を持つようになる。

 タイカはさっそく特別なプログラムを組み上げた。それはエマニがすでにハッキングしている日本中の監視カメラ映像から、ジークを見つけ出して追跡するプログラムだ。その気になればジークの端末やシステムに監視用ウィルスを仕込むこともできるが、タイカには絶対にバレないという確信は持てなかった。技術的にそのウィルスを検知することはできないとわかっていても、ジークには些細な点を繋いで答えを導きだす知能と勘の良さを備えている。タイカにはそう思えた。

 タイカは自分の行動に変化がつかないよう心がけながら、一人の時は網膜ディスプレイの一部にジークの映像を流していた。一般の監視カメラなので、たいていの映像は街中をうろついたり買い物したりするものばかりだが、そんな中でもタイカの興味をそそる時々興味をそそられる行動をした。

 裏の世界で違法な世直しをしているような人間なので、タイカはてっきり普段も人目を避けて行動しているのかと思ったが、ジークは堂々と街中を闊歩するだけでなく、大勢の人と会っていた。しかも、タイカが調べた限りではジークが面会する相手に特定の括りはなかった。市民や公務員、老人や学生、労働者や子供たちだ。

 情報ソースが監視カメラなだけに音声がないので、ジークが何の話をしているかまではわからず、結局よけいに謎が深まっただけだった。そうなると、残る手段は一つしかない。

タイカはジークに同行を申し出た。

「同行?」

 隠れ家の一つでタイカの要望を聞いたジークは、最初こそ少し驚いたようだったが、すぐにタイカの意図を理解して微笑を浮かべた。

「俺のやってることに興味が湧いたか?」

「まぁね」

 正確にはジークの目的を知るためだが、彼の活動を直接見ることも重要な手がかりになる。

ただ一つ気がかりなのは、ジークが自分の提案に難色を示すことだった。ジークの活動はこれまでも隠密行動だったので、自分が何をやっているのか見せたくないのだろうと思った。そのためジークを説得する論法をいくつか考えていたのだが、ジークはあっさりと快諾したのだ。

「確かに、おまえがいると効率よさそうだな。色んな意味で」


 自分の目を通して直接体験するジークの活動は、予想以上に地味で泥臭く、あくまで個人的なものだった。学校のいじめから逃れたい子供に対して、いじめる本人を脅迫したり、暴力夫から逃れたい妻を逃がすために、夫の銀行口座をハッキングして逃避資金を確保したり、金の力に物を言わせて弱者に不法な圧力をかけてくる相手に対しては、あらゆる手段を講じて取得した違法行為の証拠をかき集め、その相手を法的や社会的に追い込んだりと、いずれもタイカが助けたいと思っていた環境由来弱者に対して、その助けとなる活動を、それこそ昼夜を問わず休暇も取らずに延々と繰り広げていた。

 やっている行為はかなり高度な技術を要するものもあるが、それらはすべて個人に対して注ぎ込まれる労力であり、あの銀座事件のような大規模な活動のほうが珍しかった。

 それらはすべてネットや口コミによって発せられたSOSを、ジークのAIが収集したもので、ジークがその中から優先度を決め、必要に応じて介入している。タイカはその行程をエマニにゆだねており、タイカはエマニのアラートを受けて初めて動き出すのだが、ジークの場合は案件の吟味も自らが行っていた。

 それからのタイカは、暇を見つけてはジークの後をついて回った。

 量子特異点という無尽蔵のエネルギーと、エフェル文明が誇る超硬質素材の身体によって、タイカは物理的な休息を必要としない。

 また、身体コントロール機能によって脳機能活性も高度に効率化され、睡眠も短時間で賄うことができる。つまり、疲れを知らないタイカは、実働可能な最大限の時間を、自分の望むがままに費やすことができるのだ。要救助者への介入活動をこれまで通り続けても、ジークに同行する時間に困らなかった。

 ジークのAIは介入対象の抽出条件がタイカのものと異なっている。タイカの場合は理不尽な状況に陥っている人の中でも、瞬間的な理不尽を被っている人の優先度が高い。例えば、貧困によって自己防衛能力を持てない、いわゆる環境由来弱者が対象となるのは当然としても、富裕な境遇にいる人でも、当人ではどうにもならない事件や事故に巻き込まれた場合、タイカは救いの手を差し伸べる。

 前回のビル火災現場や美佐の件がそれにあたる。彼らはけして貧しくはないし、自己防衛ができる社会的地位もあるが、機器の故障や無謀運転は経済力とは無関係で、当然彼らに過失があるわけでもない。これは、タイカは可能な限り機会の公平を保てるように設定したパラメータだ。

 しかし、ジークの場合は置かれた状況に関係なく、環境由来弱者のみを対象とした。たとえ不条理な状況に巻き込まれた人がいたとしても、ある程度の経済力がある場合、ジークのAIは彼らを介入対象に含めない。そのため、先日タイカが行ったような大勢を救出するという派手な行動は行わず、ほとんど一人または二人が相手の介入だった。ジークの行動は人知れず行われているからこそ、これまで世間の注目を受けることがなかったのだろう。

 タイカはある日、ジークに対象を弱者に限定する理由を尋ねてみた。すると、彼はそのことに直接答えず、「ジーク」の由来を話始めた。

「おれは元々ネット上で『エゼキエル』って名乗ってたんだ」

「エゼキエル?」

「旧約聖書に出てくる預言者の名前だよ。エゼキエル書25章17節。そこにこういう一文がある。『心正しい者の歩む道は、心悪しき者の利己と暴虐によって、行く手を阻まれるものなり。愛と善意の名によりて、暗黒の谷で弱き者を導きたる、かの者に神の祝福あれ。彼こそ兄弟を守り、迷い子たちを救う者なり。私の兄弟を毒し、滅ぼそうとする悪しき者たちに、私は怒りに満ちた懲罰をもって大いなる復讐を彼らになし、私が彼らに復讐をなす時、私が主であることを知るだろう』ってな」

「全部暗記してるの?」

「まぁ俺のモットーだからな。つまり、俺は『迷い子たちを救う者』を自称したってわけだ。で、『エゼキエル』の愛称が『ジーク』ってことで、いつのまにかそれが通り名になったんだよ」

 旧約聖書? 預言者?

 わからない固有名詞のオンパレードで、ジークの話にまるでついていけない。

 エマニで『エゼキエル書第25章17節』を探させたが、ジークのものよりかなり短い。

「聖書とだいぶ違うけど」

「さっきのは映画かテレビドラマからの引用だ。でも最後の部分は聖書のとおりだろ?」

「最後の最後だけどね」

「まぁ、細かいことは気にするな。要は腑に落ちるかどうかだ」

「どの部分が腑に落ちたの?」

「『愛と善意の名によりて、暗黒の谷で弱き者を導きたる、かの者に神の祝福あれ。彼こそ兄弟を守り、迷い子たちを救う者なり」ってとこ」

「弱き者と迷い子って何が違うの?」

「弱き者ってのは不遇な人のことだ。不遇な人はみんな現状を変えないと埒が明かないってわかってても、極端なほど選択肢が少ないんだよ。なんせ『持たざる者たち』だからな。立派な迷い子だろ?」

 ジークの定義は不遇な人であって、不運な人ではない。不遇とは努力や忍耐が恒久的に報われないことで、不運は一時的な境遇に過ぎない。

 そして、概して不遇は自分の努力で覆せるものではない。持って生まれた資質や環境が、まるで足枷のようにつきまとう。そういう道理だ。

 事実、ジークに同行するようになってから、つまりジークの介入活動を目の当たりにするようになってから、介入対象一つとってみても、タイカの趣旨とは明らかな差異があった。ジークの介入は犯罪や事故に巻き込まれた人を救い出すことではなく、対象者がその状況に追い込まれた原因を取り除くためのものだった。

 思い返せば銀座事件もその一環だった。臓器は富める者たちが自分のための予防として蓄えられたものであり、使うかどうかもわからないにもかかわらず、不遇な人の身体から仕入れたものを、高額のコストをかけて維持している。売る側も買う側も、不遇な人から見れば悪しき者だ。当然、ジークはそういう人間に対して遠慮しない。介入過程が法律の枠内に収まらない理由も、不遇な人に実りのある結果をもたらすことが最優先だからだ。

 それが善か悪かはわからないが、実際にそれで救われる人がいるのも確かだった。そして、ジークに目をつけられた悪しき者が再起不能になる場合も多い。全財産を失ったり、社会的信用を失ったり、ときには犯罪者として立件される場合もあった。

 ジークに同行するようになってから、彼に手を差し伸べられた人が目の前で窮地を脱していく姿を見るたびに、タイカは次第に自分の介入手法が滑稽に見えてきた。タイカの介入で救われた人も間違いなくいるのだが、タイカはそれで満足していた自分を恥じた。その場限りの介入を行っても、根本的な解決にはならない人がいる。 

 その時、唐突に以前の光景を思い出した。ビルから転落した若い女性。彼女はタイカに抱きかかえながら「全然大丈夫じゃない」と言った。あの時、彼女に必要なのはタイカではなくジークだったのかもしれない。

 

 ところが、ある事件がきっかけで、ジークが無条件に弱者だけを対象としているわけではないことを、タイカは思い知ることになる。

 ジークに同行するようになってから1ヶ月が過ぎた頃、タイカとジークはいつものように介入活動へ赴いた。

 今回はタイカの能力が必要だと判断したジークの方から声をかけ、二人でドローンカーに乗って出かけていった。ドローンカーとは、いわゆる空飛ぶ車だ。ジークは主に自動車で移動していたが、空を飛べるタイカと別行動になるのは効率が悪いし、そもそも移動時間がかかりすぎるということで、タイカがクワドローターを取り付け飛行できるように改造したものだ。

「今回はどんな内容?」

「救助だ」

(救助の割にはのんびりしてるな)と、タイカは思った。出発も対して慌てる様子もなく、ドローンもそれほど高速で飛んでいるわけではなかったのだ。

 介入場所は北関東の山間にあるごく一般的な農家だった。

 ジークは敷地の外に車を着陸させると、母屋に向かって歩き始めた。しかし、直接母屋には向かわず、母屋の周囲を回って裏庭の方へ向かった。

 タイカもその後を追いながら周囲を見回す。たぶん空き家ではないのだろう。様々な雑貨が敷地内に散乱しており、母屋の窓には色褪せたカーテンが、いかにも適当という感じに引かれている。敷地全体にあふれる乱雑具合が、住人の資質を醸し出していた。しかし、現在は人の気配はない。

「誰もいないの?」

「あぁ、外出中だよ。その時を見計らって来たんだ」

 裏庭にたどり着くと、そこには壊れかけた小さな小屋があった。ジークは身体をかがめてその小屋に入ると、タイカを手招きで呼んだ。誘われるがままに入ったタイカが見たものは、小屋の隅でうずくまっているやせ衰えた犬だった。犬はジークやタイカに視線を合わせず、ただうつむいている。

「普通虐待されてる動物は触られるのを嫌がって攻撃してくるんだが、この子はその気力するなくなってる」

 ジークはそう言いながら、鋼鉄製の首輪についている大きな南京錠をタイカに見せた。

「これ壊せるか?」

「うん」

 タイカは南京錠を両手で掴むと、少しだけ力を入れて首輪から引きちぎった。そのおかげで首輪もはずれ、ジークは犬を抱きかかえると小屋から出た。

「これも誰かからのSOS?」とタイカが言う。

「もちろん」

「でもさ、犬の救助なら僕は必要なくない? 鍵だって道具があればはずせるし」

「いや、おまえの仕事はこれから始まるんだよ」

「どういうこと?」

「敷地内にあるものをすべて破壊するんだ」

「破壊?」

「あぁ、跡形もなくな」

 タイカは改めて周囲を見渡す。敷地内には母屋以外に離れの建物や蔵がある。農作業用の道具やトラクター、複数台の車まである。

「これ全部?」

「あぁ。こないだの工場を破壊したときと同じようなレベルで徹底的に消し去ってくれ。できるだろ?」

「そりゃできるけど、なんのために?」

「ここの住人を再起不能にするためだよ」

 犬を抱えたままのジークが言った。タイカは犬に視線を移す。犬は相変わらず生気がなく、ジークの腕の中でうなだれている。

「この子のために?」

「というより、飼い主に対する脅迫だな。同じことを繰り返すと、またすべて失うことになるってな」

 ジークの具体的な思惑はわからないが、眼の前で意気消沈している犬をみれば、彼がどういう境遇に置かれていたか理解できる。それどころか、ジークは人間以外にも手を差し伸べるのかと感心したくらいだ。

「わかった。ちょっと離れてて」

 タイカはちょうど敷地の中央を狙っていつものように重力子弾を打ち込んだ。フォースフィールドに閉じ込められた重力子は指定座標に到達した瞬間に開放され、一瞬で黒い霧のようなものが広がったと思うと、建物を含めた周囲の人工物は霧の中央に凄まじい勢いで流れ込み、やがて地面に半球型のクレーターを残して消えた。

「やっぱり何度見てもすごい迫力だな。吸い込んだものはどこに行ったんだ?」

 ジークが感心しながら尋ねた。

「まだクレーターの中心にあるよ。すごく小さい点の中だけど」

「ブラックホールにならないのか?」

「さすがにそこまでの質量はないよ」

「そうか。まぁ、でも元には戻せないよな」

「もちろん。自重で地面の中に落ちていって、たぶんマントルあたりで燃えちゃう」

 ジークは満足したように腕を組んでクレーターを眺めた。

 そのとき、二人の後ろの方で車のエンジン音が近づいてきた。振り返ると年代物のくたびれたワンボックスが停車し、中から初老の男が飛び出てきた。

「なにやってんだおまえら!」

 そう言いながら、あるはずの家がなくなっていることに気づいて、「家をどうした!」と叫び、今度はジークが抱えている犬を見つけて「俺の犬をどうするつもりだ!」と喚き散らした。

「救助だよ。だいたい、おまえみたいな虐待野郎に『俺の犬』とかいう資格はない」

「なんだと!」

「忠告しといてやるよ。お前が持ってる財産はことごとく消し去った。お前はこれからホームレスだ。犬の心配より自分の食い扶持を考えたほうがいいぜ」

 そう言い捨てると、タイカに向かって「任務完了だ。引き上げるぞ」と言った。

「う、うん…」

 踵を返して車に戻るジークの後を、本当にこれで良いのか確信が持てないまま追いかけた。

 すると、怒りで震えていた男がジークに向かって「上等だ!」と言い放った。

「これで大人しくなると思うなよ! 犬はそいつだけじゃねぇんだ! どっかで見つけて、そいつを食い扶持にしてやるぜ!」

 そう言い終わった男は、車に乗り込むとタイカたちに向かって走り出した。男が突っ込んでくると思ったタイカは、車を停止させるべく身構えたが、その直後にタイカの聴覚が乾いた破裂音を感知し、視覚は割れるフロントガラスと頭を後ろにのけぞらせる男の姿を映し出した。

 何が起こったか理解できずにいるタイカの眼の前で、ふらふらと進む車はタイカが開けたクレーターに消えていった。ジークの方を振り返ると、彼は犬を抱えたまま、空いている方の腕をまっすぐ伸ばしている。その手に握られた小火器の先端からは、ゆらゆらと白い煙が立ち上っていた。

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トラベリング・エイリマン 藤田 夏生 @natsuo

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