私も独り立ちします

「フィリップ、皆から話を聞いたかしら?勝手なことをしてごめんなさい。でも私、皆の夢を応援したくて……」


結局、皆は私の提案を受けてくれたのです。店に住み込みで仕事をするようになったり、一人暮らしを始めたりと、皆ここを出て行くことにしたようです。


私、ついにやりました!目標達成です。


「謝ることは何もないよ!彼女達が生きていく術を見つけられたのは君のおかげだよ。ありがとう」




目標達成したのに、私の気持ちは晴れません。これでフィリップと二人で暮らせるというのに。……もう普通の結婚ができるといるのに。


皆、自分の夢を叶えるために前に進んでいきました。


私はどうでしょう?フィリップと結婚することがゴールなのでしょうか。




いいえ、フィリップとの結婚では、もう私は満たされない。


「ねえフィリップ、五人は自分のやりたいことを見つけて、とても輝いていたわ。……それに比べて私には何もない。私も自分に出来ることを見つけたいの。だから、婚約は破棄させてください。私、この国をでて、勉強するわ」


「君は一体何を……」


「ごめんなさい、ご両親には私が説明するわ!」


気がついたら、走り出していました。考えただけでワクワクするわ。私は今から何だって学べるのですから。




フィリップには悪いことをしたけれど、彼のことだからきっと許してくれるはず。それに、また他の人を助けて、居候でもさせるでしょうしね。

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聖人な婚約者は、困っている女性達を側室にするようです。人助けは結構ですが、私は嫌なので婚約破棄してください 香木あかり @moso_ko

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