その笑顔が忘れられないから

思わず彼にハグしてしまった!

彼の顔は真っ赤になっていて、

「ごめんなさいっ!」と謝った。


「車に戻ろう」と言われ恥ずかしい気持ちもあったので、慌てて車に戻った。


ふたたび車に乗りお昼をたべることになった。(私ほんとうに誘拐されてるんだろうか。。。)


パーキングに着き、車から降りると彼と後部座席にいた手下は何かに気付いたようだった。ご飯屋さんに入ろうとしていたが、何故かトイレに行こうと言い出した。


でも、私もトイレに行きたかったので

「ちょうどよかった〜」といいながらトイレに向かった。

彼が男子トイレに入る瞬間に

「ゆっくりでいいからな…」と小さい声で言っていた。

そんなに気にしなくても、トイレくらいゆっくりさせていただきますよと思いながら、トイレに入った。


トイレの個室に入るといきなりドーンと凄い音と共に悲鳴が聞こえた!


女性の悲鳴とともに、閉めていたはずのトイレの扉が突き破られた。


「だ、ダディ!?!?」

思わずダディと言ってしまった。

ダディは顔を真っ赤にして

「娘がいたぞと叫んでいた!」

どこからか、

「娘がトイレから出てくるのも待てないのか!!」と誰かが怒っていてるのが聞こえてきた。


「ジョニー、何してるの?」

と私は笑っていたが、

「無事でよかった」

とジョニーは泣きそうな顔で言った。


すぐに抱きかかえられ連れていかれそうになったけど、


「ジョニー、パンツ!パンツ!」


と言ってパンツをはきなおし、すぐにトイレから出さされた。


ジョニーの車に乗る瞬間、男子トイレから出てくる彼の姿が見えたがそのまま車は発進した。


このまま家に帰るのかと思ったが、着いたのはホテルだった。

車の中でもずっとお姫様抱っこをされていたが、ホテルに入ってからもずっと抱っこされたままだった。



ホテルの部屋に入るとベッドに連れて行かれて、そっと布団におろされた。


私はジョニーの心配そうな顔を見て、


「ジョニーありがとう」



と頬にキスをして、ハグをした。


ジョニーは安心したように、少し寂しそうな顔で微笑んだ。私の大好きな人の顔だ。



ジョニーには、私がいる。


彼には安心出来る場所があるのだろうかと

思った。


ジョニーは、私とハグすると落ち着いたのか、まだ仕事があるからと言って鍵を閉めて部屋を出ていった。


ジョニーはここにいてと言ったけど、私はどうしても彼のことが脳裏から離れなかった。


彼をさがしにいこう。


あの寂しそうな笑顔が忘れれないから。



続く


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きみの笑顔が離れない @touka39

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