聡い子供

@mohoumono

第1話 子供であるが故


小さい民家に聡い子供がいた。


彼は、幸せであった。


四六時中笑いは絶えず、

母は、聡い子供のことを考え、

自宅で勉強を教えていた。


聡い子供は、家の中で星座を覚えた。

その家は、一日中キラキラと輝いていた。


聡い子供にとって、嫌な事はただ一つだった

度々知らない大人が訪ねてきて、

今日は何をしていたの?と

インターホン越しに言ってくるのだ。


聡い子供は、決まってこう言った。


お母さんと一緒にお絵かきをしていましたと


その子供は、この世界の誰よりも、

優しく聡かったのだ。


だからこそ、

母の服の裾をずっと握っていたのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

聡い子供 @mohoumono

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る