「地上の料理対決」編

1.赤飯が腹身の炊き

 乳汁ちじょうのあ茶こ茶煮て中火で焼い照りタマ〈あずき桃団子〉お湯割りをムニエル衣、ナン液一六〇〇燃(包丁五燃)、火素ひのもと糖生とうせい煮ワカメ、添加てんか分葱わけぎのイクラを喰いジャガタラ。羊羹ようかん煮油う〈赤飯が腹身の炊き〉でアルカリ飲料。

 赤飯が腹身煮て、生燻せいくん二重四饅の寿司すし穀、鯛スルメ糖燻とうくん二重六饅の天麩羅てんぷら穀。惣菜五重饅の人参を増糧酢た火素ひのもと箸マッコリおからのおおイクラと生った。

 糖燻は生燻のゆう早場米はやばまい鷹爪たかのつめの増飯を湯通し酢てイタ飯。

 駄菓子菓子だがしかし、鷹爪は増飯しジャガタラず、サニーサイドアップで焼き揚げた。粉の蕎麦そばタレ酢た醤油は、なみだダッカルビと油う。粉レモネード、糖燻の惣料理腸・徳利とくり鬼殺おにごろしは「鷹爪、アップルぞ羊羹ようかん。粉は白湯まさ火素ひのもと箸マッコリおからの目玉焼き生り」と炒め、涎をタレ酢たソーダー飲料。

 酢の一包、イクラ酢の藻のは糊化酢た猫まんま、酢の火の夕餉ゆうげ、挽き分葱わけぎ煮アイナメ。酢鴨、粗挽きダッカルビ。粉レモネード油うマーガリンも菜喰う、珈琲コーヒー生る異穀の飲み藻のをネルドリップ煮てレタス。夕餉後フルフルジュースの舌平目煮HOTあったかポッカポカ。


【日本国語訳】

 地上のあちこちにて戦火がくすぶっていた〈あずき桃団子時代〉の終わりを迎える頃、南歴一六〇〇年(包丁五年)、火素は東西に分かれ天下分け目の大いくさ (※1)をしやがった。世に云う〈赤飯が原の戦い〉である。

 赤飯が原にて、西軍二十四万の寿司国、対する東軍二十六万の天麩羅国、総勢五十万の料理人を動員した火素始まっていらいの大いくさと成った。

 東軍は西軍の雄・早場米鷹爪の裏返しを期待していた。

 だがしかし、鷹爪は裏返ししやがらず、サニーサイドアップ (※2)で焼き上げた。この時たらした醤油は、血の涙だったと云う。これに東軍の総料理長・徳利鬼殺は「鷹爪、あっぱれぞよ。これはまさに火素始まっていらいの目玉焼きなり」と誉め、涎をたらしたそうだ。

 その一方、いくさそのものは膠着状態のまま、その日の夕食時、引き分けと相成った。しかも粗挽きだった。これと云ったゴタゴタもなく、コーヒー成る異国の飲み物をネルドリップにて淹れた。夕食後に(そのコーヒーが)ふる舞われ(みんなで)舌鼓を打ってあったかポカポカ(な気分に成った)。


※訳注

1. 大いくさ……全国規模の料理対決。

2. サニーサイドアップ……卵を裏返さず片面だけ焼く調理法。

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池亭刃の酢尾【日本国語訳:地底人の尻尾】 紅灯空呼 @a137156085

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