第7話

祖父母の家に到着と同時に筋トレに励むマナ。物凄い汗で白い肌が汗で濡れている。シャツもビショ濡れで下着が透けている。

パチたろは鎧が重くて地面にへばりついたまま、一切の身動きが取れない。

それを見かねたアンリミとベルーナがパチたろの鎧を脱がせてようやく立てた。


「マナいつまで筋トレしてるんだよ。凄い汗だぞ。もうやめろよ」


「うん……はぁ……あん……もうちょっと。ああ……来てる来てる! 筋肉が限界を迎えて喜んでいる!」


それから15分ほど筋肉トレーニングを続けて満足気なマナ。


「あーいい汗かいた。スッキリしたー! 地球最高! 10倍以上も効果があった気がするわ。あー汗びっしょり。お風呂借りるね。覗くなよ。100ゴールドで1秒だからね。パチたろには払えないでしょ。日本円で10万」


「はぁ!? 10万だって!? 貯めておかないと」


「無理無理。どうせまとまった金が入ったらどうせパチンコに行くでしょ。しかし神様も考えたわね。あんたが異世界を気に入って移住したらパチンコでお金を無くすことも無い」


「それいいよな。でもあの大当たり直前の興奮を忘れられるとは思えない」


「あんたね、勝った時より負けた時の惨めな気持ちを思い出した方がいいんじゃない?」


「負けた時の……体験しすぎて当たり前になってきた」


「全然ダメじゃん! 悲惨な状態を当たり前にすんな! このカス! 反省してな。私は風呂に入る」


「ああ、今は金がないから覗かない」


「あんた達も行くわよ。アンリミ、ベルーナ。パチたろは覗く金ないからみんなの分のビール買ってきて。はいお金。お駄賃としてお釣りはあげるわ」


「マジかやったぜ!」


「あ、はい!」


「うむ」


こうして女性3人で入浴タイムとなった。わしは神だから無料で覗き放題である。おっと鼻血が。

パチたろの祖父母の家の風呂はとても大きく3人で入っても余裕がある。泳げる程ではないが、5人ならいっぺんに入れそうだ。


「マナさんスタイル抜群。腰の細さが凄い。腹筋も綺麗に割れてるし。細いのに胸はちゃんと大きいし」


マナのスタイルに驚嘆するアンリミ。彼女は標準的な女性の体型で程よく脂肪がついている。


「ベルーナさんはとにかく胸が大きいですね。太もももむっちりでお尻も大きい」


「うむ。圧倒的な豊満な体が我の売りの1つじゃ」


ベルーナはさすがのLカップ常識を遥かに超えている。湯船にぷかぷか乳房が浮いている。


「アンリミ背中流しっこしよ。ベルーナは体も洗わないで湯船に入って。ダメじゃない。ドラゴンの出汁が出て強くなれそうだからいいけどね」


「はい。お背中流します」


「胸でね」


「ええー!? 私の胸小さいけどいいんですか?」


「結構あるじゃない」


アンリミのCカップの胸を擦りつけて背中を洗う。その後で同じようにマナもアンリミの背中を洗う。

その光景を見てベルーナも参戦した。さすが大きい胸。圧倒的な質量で2人の背中を洗っていく。お返しにベルーナの背中を2人の胸で洗っていく。

洗浄効果はともかく凄く気持ちよさそうだ。こうして綺麗な体となり、3人は仲良く体をくつけて湯船に浸かった。


「あーいい湯だ。一瞬でお湯が沸くとは凄いな」


「ですねー地球の生活は快適です。でも重力が凄くて胸が垂れそうです。歩くだけでも辛いし」


「辛い? 歩くだけでも筋肉付くとかご褒美じゃない」


3人はそれからしばらく雑談して風呂から出た。パチたろも帰ってきて、みんなでビールを一気飲みした。風呂で火照った体に冷たいビールは最高だ。

パチたろもビールが飲めて幸せそうだ。それからパチたろは残り湯に入ってもっと幸せそうな顔になった。


「美女達の残り湯。ご馳走様です!」


こうして、長い1日が終わっていく。本当は異世界で沢山寝てから地球に来ればもっといいのだが。24時間寝ても1時間だ。

時間の流れも早く時間に追われる地球は本当に試しの場所で修行だ。いや苦行と言っていい。

朝を迎えると美女3人がパチたろの寝ているダブルベッドに入って来ていた。パチたろを挟んで、マナはうつ伏せでパチたろの上でスヤスヤ寝ている。

パチたろが起きる前に3人とも起きて、畑から野菜を調達して、具沢山の味噌汁を作ってパチたろが起きるのを待っていた。


「なんだ。この美味しそうな匂い」


パチたろが居間に行くと朝食が用意されており、美女の料理だと感動して泣きながら食べた。

パチたろはよく泣く奴だ。少し可愛く見えてきた。髭もないし、かなり幼く見える。


「じゃあ、俺は仕事に行ってくる。皆は観光でもしてて。鍵は玄関にある植木鉢の下に」


「はーい! さ、私達も行くわよ。秋葉原巡りよ!」


「えー渋谷がいいですわ」


「我は池袋がいいぞ」


「あ? 秋葉原。秋葉原よね?」


マナの物凄い形相と殺気で固まるアンリミとベルーナ。


「はい。そうですね。秋葉原行きたかったんですー」


「うむ。楽しそうじゃなー秋葉原ー」


2人の声は物凄く棒読みだった。未来の剣聖の殺気は凄まじい。

こうして地球での観光を満喫する3人。マナの大量の戦利品を持たされる2人。まるで荷物持ち。家に帰るとマナだけ元気で2人は疲れきっていた。


「ただいまー! あのさ、今日会社でさ、髭が無いから取材の合間に営業もしてみないかだってさ! しかも歩合制。髭無くして良かっただろ?」


「あんたね、取材って新聞記者なの?」


「うん」


「新聞記者こそ無精髭が似合うんじゃない。迫力出るというか」


「でもさ、意味あったろ? 今日は取材の帰りに10人も新聞契約してくれた。小さい会社で地方新聞だから凄く大きいぜ」


「小さい会社なんだ。主にどんな記事?」


「オカルトと政治経済とグルメかな。グルメは別の人が担当なんだ。自腹でなかったら俺もグルメライターやりたかったんだけどな」


「自腹はキツいね。給料日にパチンコで全財産失うあんたには」


「でも収入アップだぜ。やったぜ! 異世界最高!」


「異世界を気に入ってくれたようで嬉しいよ。私も地球が気に入った。私達性格合わないけど上手くやって行けそうね」


「うん! そうだな」


パチたろが手を差し出すとその手をマナがギュッと握った。


「私達は早く異世界に帰りたいです。ね、ベルーナさん」


「うむ。帰ろう。秋葉原巡りで疲れた。我達は何も欲しいの無かったしな」


こうして地球から異世界に帰ることとなった。さあ、再び冒険だ。頑張れパチたろ。不運に負けるなパチたろ!



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給料日にパチンコで全財産失ったら神様が心配して異世界に移住させようとして来たんだが ルンルン太郎 @rnrntarou2239

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