Soc 〜呪いの学校〜
秋葉 結奈
始まり
愛とはなんだろう?
誰もがそう思ったことはないだろうか?愛は人の価値観によって変わる。友達と親しくすることが愛と思う人いれば、人の欲求を晴らすことが愛と思う人もいる。かなり多いのは、恋愛だ。これを愛と定義する人がかなり多い。しかし、その愛はあっているのだろうか?
おっと結論から離れてしまった。つまり僕の言いたいことはただ一つ、お前らの価値観を押し付けるな。
僕こと、
「あのぉ、志士解さん?この作文の発表は高校に入ってみての感想文なのですが...」
「はい♪しっかりと書きましたよ」
「...ええっと、つまり高校に入っての感想は何が言いたかったのでしょう?」
先生は困惑したような顔で尋ねる。《ルビを入力…》
「つまり僕の言いたかった事は、リア充(カップル)が視界に入るだけで反吐が出そうなんで、とっとと失せろって言いたかったんです♪」
僕は汚れのない満面の笑みを先生に向ける。
「そ、そうだったんですか...ところで志士解さんは気になる子とかはいるんですか?」
「何をおっしゃってるんですか先生、入学してから1ヶ月しかたってないのにそんなのできる訳ないじゃないですか〜。逆にこの短時間で恋人になれるクラスがおかしいとすらおもうんですよ」
「そうですか。ありがとうございました。次の人どうぞ」
先生はそう言って次の人に順番を回す。僕は大人しく席に座って話を聞く。そして、その人が終わると、次の人、さらにその人が終わると、さらに次の人、それをクラス全員の発表が終わるまでそれを繰り返す。そして、授業終了のチャイムがなると同時に全員の発表が終わる。こんなタイミングが良いのはアニメだけかと、僕は思っていた。
「では、皆さんがこの1ヶ月で何を思ったのかは十分に分かりました。その思ったことを忘れずにこれからの高校生活を充実させてください。以上で今日の原文の授業を終わります」
先生はそう言って教室を出ていった。そしたら、僕の所へ真っ先に向かって来る奴がいた。
「お前馬鹿なの?」
そいつは手短に一言そう言った。こいつは中学校からの親友である、
「何が馬鹿なんだ、モブである風間よ」
「誰がモブだ。まあ、何でもいい。お前、ディスりすぎだろ」
「何のこと?」
「リア充に失せろって言ったこと」
「ああ、それか。別に一生からかわれるだけなら構わないぞ。そして、どうせお前はリア充じゃないんだろ」
僕がそう言うと、風間は無言になる。
「...申し訳無いんだけど...俺、実はあの方と付き合うことになったんだ…」
僕は一瞬、風見の言ってることが理解できなかった。しかし、時間を置いて少しずつ理解できてきた。
「お前、彼女いんの⁉︎」
風見の発言に僕は大声を出してしまった。その声は教室中に響き渡り、クラスにいる全員がこちら向く。
「お前、マジで言ってんの⁉︎」
「マジだから、頼む。大声で言わないでくれ」
風見は口に人差し指を当て、小声で言う。僕は慌てて風見の手を掴み、無理矢理教壇の前へと連れてく。
「みんあ聞いてくれ、こいつ彼女ができたんだ。それで聞いて欲しいものがある」
僕はそう言ってスマホを弄りだす。そこからは聞き覚えがある声が流れる。
『彼女...?ふっ、そんな物永遠童貞の俺には関係ないね』
自信満々に聞こえる、風見の声がスマホから流れる。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」
風見は絶叫しながら僕のスマホを奪う。そして、スマホを地面に叩きつけようとする。
「そのスマホ保険入って無いんだから、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」
僕は寸前のところで風見を止める。スマホを無理矢理奪い取り、なんとかスマホを死守した。
「本当にバカかお前は⁉︎あのままスマホ割ってたらお前弁償代払う事になってたぞ」
「ああ、本当に止められて無かったらそうなってたよ。ありがとな。でも、あれを流すのはやめてくれ」
僕は風見を止められた事は嬉しく思うが、さすがにやりすぎたと反省する。
「ああ、本当にすまなかった。これからは少し、というか、かなり注意するよ」
僕は風見にそう言って、謝罪を述べる。
「おいおい、カップルより仲良いくせに何がリア充は失せろだ」
クラスの男子の誰かがそう言う。これは言い方が悪いが、実際は冗談で言ってるのだと、僕は思っている。
「そうだそうだー」
もう1人が悪ノリしてくる。やがてそれはクラスのほとんどの意見へと変わっていった。
「ああ、悪いな。俺と風見の付き合いはお前らと比較できない程親しいんだよ」
僕はクラスのみんなから罵倒を受けるような一言を言って自分の席に戻る。そして、次の授業の準備をする。準備が終わり時計を確認すると、意外にも時間が余っていたので少しスマホを弄ろうと、机の中に手を入れようとする。
「あんな事平気でよく言えたね」
左隣からおそらく僕に向けた一言が飛んでくる。左隣には中学の時から数少ない女友達の
そんな実恋音に僕は優しいから実恋音の方を向く。
「なんだ?羨ましいのか?」
「私がそれに答えるとでも思う?でも、本当にどうやったらあんあイカレ神経が出来上がるのかしら...」
実恋音は呆れ気味、というか完全に呆れていた。
「そんなの彼女ができないから、他の奴らに俺らがとてつもなく仲がいいって事を自慢したいの」
「そんな自慢のために風見は被害にあってるなんて可哀想...」
実恋音は僕を憐れみの眼で見ていた。
「じゃあ、逆に聞くけど、お前はみんなに自慢できる彼氏や友達はいんのか?」
僕は実恋音にそんな人はいない事を知っている。こんな言い方をしていると実恋音に友達がいないみたいに聞こえるのでそこだけは訂正しよう。
「私は...そのぉ......」
実恋音はそういう人がいないからか、とても歯切れが悪い。そして、そのまま何も言わず授業開始のチャイムが鳴ってしまう。
「まあ、なんだっていいや。とりあえず、授業始まるから後でな」
僕はそう言って前を向く。そして、今日の授業を全て受け部活をこなす。部活は科学部という部活に入っていて、今は『食用魚類を育てるには、何のプランクトンがどのような育て方をしたら効率が良いか』という実験をしている。今日はプランクトンの餌やりとここ一ヶ月の増殖率を計算するといった大変な仕事だったためとても疲れた。それも今日が初めてだったため、色々グダグダしてしまい、さらに疲れた。とてつもない疲労の中頑張って帰ると考えるだけで精神的に疲れが溜まってしまう。
「何か疲れてるな」
背後から声をかけて来たのは親友であった風見だった。さらに、その後ろには風見であった
「どうしたんだクソリア充共」
僕は風見と日輪に嫌みを言う。風見は呆れた表情をする。
「なんだそんな事言う気力があるなら大丈夫そうだな」
「何が大丈夫なもんか。こっちは部活で神経使って疲れてんだ」
「そうだったんですか。大変ですね」
日輪はおっとりした声で僕に同情してくれた。
「そうなんだよ。てか、2人は何部入ったんだ?俺、風見から何入ったとか一切聞いてないだけど」
「私は吹奏楽に入りました。ですが、色々悩みがありまして,,,」
日輪は少し低い声で言う。僕は何があったのか気になったか気になるが、触れてはいけないt思い、触れないでおく。
「風見は?」
「俺は一応弓道部に入ったよ」
「えっ?」
僕は風見が入っていた部活が意外で、思わず驚きの声が漏れてしまった。
「お前、弓道入ったの?」
「うん」
風見はあっさりと言う。僕はフリーズしてしまう。風見の事だから中学みたいに美術に入るか、楽器が吹けるため日輪ち同じ吹奏楽に入ったのかと思っていた。
「お前、意外だな」
「そうだな。高校で出来た友達に誘われて体験に行ったら楽しくて入っちまった」
風見はいろんな物に惹かれやすい性格なので弓道にもその性格に影響を受けたのだろう。
Soc 〜呪いの学校〜 秋葉 結奈 @Akina1102
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