第20話 終わりのざまぁ

 俺達は偽物を捕まえるべく、隣の街に来ていた。

 偽物の勧誘をしている冒険者がいると突きとめた。

 行ってみたらリックだった。

 リックは俺が復讐した相手だ。

 読めたぞ。


 リックが勧誘してリコが回復魔法を掛けたんだな。

 大方、常時回復のリジュネ辺りだろう。


 今回使う保険はこれ。

――――――――――――――――――――

 悪行天罰保険

  悪行を行うと天罰が下ります。一年間、善人でいるとボーナスが支給されます。


  保険料:銀貨1枚

  保険タイプ:掛け捨て

  保険対象:一人

  保障期間:一年

  払い戻し:悪行に天罰。満期でボーナス

――――――――――――――――――――


 こそっとリックにこれを掛けた。

 テーブルの角に小指をぶつけるリック。

 詐欺だと天罰はそれぐらいか。


 リックの後をつけると宿屋に辿り着いた。

 入口を見張る。

 リコが出てきた。

 ビンゴだ。


 リコの後をつけ、こそっと後ろから保険を掛ける。

 リコはギルドに入って行き、冒険者に魔法を掛けているようだ。


「くそっ、爪が割れたわ。リックも不運だったと言うし、呪われたのかしら。そんなはずないわよね。魔法の効果はあるんだし」


 俺はリコの前に姿を現した。


「偽物とは恐れ入る」

「何の事知らないわよ」

「そんな事を言っていいのかな。俺はお前達に呪いを掛けた」

「あなたのせいだったのね。呪いを解きなさいよ」

「嫌だね」

「じゃあこうしてやる」


 リコは短剣を抜くと刺しにきた。

 あーあ、やっちまったな。


 リコの衣服が全てバラバラになった。


「きゃー、見ないで」

「殺人未遂で逮捕してやって下さい」


 冒険者がニヤニヤしながら、リコを連れていった。

 これで偽物は出ないだろう。

 そして、リックも詐欺の容疑で捕まったのだが、後日。


「何だって! リックとリコが脱獄したって」

「ええ、他にも一緒に多数が脱獄したみたい」


 俺の所に来るかな。

 来るだろうな。


 誘ってみるか。

 俺達は討伐依頼の為、森に入った。


 出て来たのは。

 リック、リコ、ラスター、エルリーン、ステラ、ボガードと傭兵団。


 こいつら性懲りもなく。


「シンディ、頼む」

「すいません、パラライズ」


「しびび」

「しびー」


 全員が痺れた所で、悪行天罰保険を掛けてやった。

 こいつら、このまま逃がしておこう。

 天罰を食らいまくれば反省するに違いない。


「ふふふっ、おあつらえ向きですね」


 出て来たのは黒いローブを着た女。


「誰だ」

「秘密結社ポロリネンスです」

「あの、おっぱい饅頭の」

「ええ、そうです」


「彼らを資金援助でもしたのか」

「まあ、そんな感じですかね」

「何をやろうとしているのかは分からないが、やめておけ」

「もう遅いです。集めに集めた負の感情。今こそ顕現の時」


 女から黒い霧みたいな物が出たと思うと、麻痺した奴らにとりついて一つになった。

 巨大な黒い霧の巨人が出来上がる。


 生命リバイブ魔法保険と強敵必殺の一撃保険をパーティ全員に掛けた。


「気を付けろ」

「分かってるって」


 ターラが大槌で巨人を打ち据える。

 ターラが死に生き返った。

 触っただけで即死かよ。


「シンディ頼む」

「すいません、ファイヤーアロー」


 炎の矢が巨人に当たり、シンディが死に生き返った。

 くそっ、魔法攻撃も駄目なのか。


「無駄よ。我が神に敵う者なんていないわ」


 くそう、何か良い保険はないか。

 あった、これだ。


――――――――――――――――――――

 負けイベントパワーアップ保険

  負けるとパワーアップします。


  保険料:銀貨1枚

  保険タイプ:掛け捨て

  保険対象:一人

  保障期間:一ヶ月

  払い戻し:パワーアップ

――――――――――――――――――――


 全員にこれと生命リバイブ魔法保険も何口も掛ける。


「全員突撃だ」

「無駄よ」


 俺達は何回も死に、そして。


「やったぜ。神に勝ってやった。ゴットスレイヤーを名乗れるぜ」


 ターラが止めを刺した。

 巨人が塵になって消えて行く。


「そんな。我が神が負けるなんて。何かの間違いよ」


 秘密結社ポロリネンスは邪教認定され、摘発された。

 俺達はパワーアップしまっくたお陰で、スキルなど無くてもドラゴンを捻れるようになった。


 俺の運命の人だが、強制的というか、落ち着くところに落ち着いたというか。

 なぜかと言えばパワーアップには副作用があって、4人以外とは気軽に触れ合えなくなっていた。

 ドラゴンを軽く捻れるのだから仕方ない。


 まあ、冒険者仲間に爆発しろと言われたと言っておく。

――――――――――――――――――――

あとがき

 ヒロインのざまぁ話の合間に色々な話を入れる予定でした。

 それで、100話ぐらいの完結を目指したんですが。

 同時に投稿する作品の数が多すぎるので、とても全部は続けられない。

 何かを終わらせる必要に迫られました。

 書いていて楽しかったけど、反応は今一つでしたので終わらせる事にします。

 駄作ならネタは一杯あるので、またチャレンジです。

 次回作でお会いしたいと思います。

 読んで頂きありがとうございました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お金こそ力の保険スキルチート~二度も彼女に裏切られた俺は失恋保険の払い戻しで覚醒する。死には生命リバイブ魔法保険。敵わない敵には強敵必殺の一撃保険。俺は保険スキルで無双する~ 喰寝丸太 @455834

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ