剣の腕

糸賀 太(いとが ふとし)

プレミス

■ 主人公は誰?

 手負いの元海賊


■ 主人公は平凡か、非凡か?

 平凡で負け犬


■ 冒頭で主人公はどんなシチュエーションにいるか?

 過去の戦闘で、片腕を失った直後に恐怖のため逃亡したので、臆病者という汚名を着ている。


■ 冒頭での主人公の状態は?

 どん底で、這い上がる当てがない。


■ 主人公または敵対勢力によって、それはどう変わっていくか?

 主人公は汚名は返上する。

 しかし、主人公が予想していた手段ではない、別の方法で返上する。


■ 主人公が置かれたシチュエーションは平凡か、奇抜か?

 平凡


■ 主人公の目的は?

 汚名を返上すること。


■ メインの敵対者は誰? 人物でなければ何と敵対する?

 隻腕で寡黙な大猿使い


■ 「普通の世界」にいる主人公が葛藤や対立を体験し始めるのは、どんな災難が起きるからか?

 失った腕の代わりとなる「剣の腕」の在り処を知ったため。


■ その災難に対する主人公のリアクションは、どんな葛藤と対立を生むか?

 同じく「剣の腕」を求める、隻腕で寡黙な猿回しとの対立を生む。


■ その葛藤と対立はすんなり解決せず、ストーリー全体を通して続く。その理由は?

 主人公は「剣の腕」を入手することと、自分の恐怖心を克服することを、同一視するという過ちを犯しており、そのために主人公は「剣の腕」に拘泥しつづけるから。


*ここから下は2021年9月24日に追記したもの*

決して、恐怖心の克服を、腕を得るための対価にしないこと。

なぜならば、義肢を欲することはごく当然のことであって、恐怖心を克服するという課題を解決した報酬として義肢を得るというのはおかしいから。


また、腕を手に入れるだけで主人公の問題が全部解決するわけでもないだろうし、恐怖心を克服するだけで全部解決するわけでもないだろう。


主人公および敵役が隻腕であるということを、体とこころ両方の問題として、さらに、主人公たちを取り巻く社会の問題としても書く必要がある。

*ここから上は2021年9月24日に追記したもの*


■ このアイデアに説得力はあるか?

 問題の解決のために、必ずしも有効ではない手段を選び、自分が選んだその手段に執着し続けるというのは、普遍的といえる(主人公に「頑固」という欠点を与えることになる)。


■ このアイデアに独自性はあるか?

 物品の争奪と、いう使い古されたアイデアである。


■ 他の類似したストーリーとの違いは?

 ヒロイックファンタジー小説において、主人公が体の一部を失っている(虚弱体質だったり、義眼義手だったりする)ものは、すでに1960年代に出ているものの、義肢そのものを争奪の対象にしたものは、和書のなかではないはず。


■ どうすれば独自性を高められるか?

 敵役を掘り下げる。たとえば、敵役もまた、主人公と同じ隻腕という事情を抱えるので、その事情に対する主人公と敵役の態度の違いを描く。


■ ストーリーの焦点は?

 主人公が、いざとなると逃げ出してしまう自分の心の弱さと向き合えるかどうか。


■ ジャンルは?

 海洋冒険小説よりのヒロイックファンタジー


■ 読者層は?

 同ジャンルのファンであった中高年男性。


■ 質問への答えを見ながら、プレミスとしてひとつの文にまとめて下さい。

 監獄を襲撃したときに片腕を失ったことを機に、海賊団から脱走して臆病者の汚名をきている主人公は、難破船の残骸を漁って甲羅に地図を浮かび上がらせるカニを手に入れたことをきっかけに、「剣の腕」を手に入れて汚名を返上しようとするが、同じく隻腕である寡黙なる大猿使いも「剣の腕」を求めていた。

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剣の腕 糸賀 太(いとが ふとし) @F_Itoga

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