第2話

ラーララ ラララ ラーララ

ラララ ラララララー


皆様こんにちは。

いかがお過ごしでしょうか?

本日のエツコのアトリエ。

スペシャルゲストは。

皆様よくご存知の方だと思います。

通販王でいらっしゃいます。

株式会社ストロンガー代表取締役。

ジェシーベストさんです。

本日はようこそお越し下さいました。


本日はお招き頂き。

どうもありがとうございます。


ジェシーさんは。

アメリカ出身の方でしたよね。


はい。

アメリカのニューメキシコ州出身です。


それにしては。と言ってしまうと。

失礼かもしれませんが。

大変。日本語が流暢でいらっしゃいますね。


ハハ。

そんな事ないんですよ。

妻が日本人ですから。

毎日。日本語の指導をして貰っています。


いえいえ。

日本語が本当に達者でいらっしゃるのでね。

あなたが日本語で話している映像を見る度に。いつも感心していました。


ハハ。

それは本当ですか?


もちろん。本当ですとも。


ハハ。

何かお恥ずかしいですね。

どうもありがとうございます。


つい先日。

ジェシーさんが代表を務めていらっしゃるストロンガー社で。

大変。画期的な商品が開発されまして。

販売の方も開始されたと言う事でね。

今。巷ではその話題ばかりの様な状況になっていますが。


ハハ。

ご宣伝頂き。

ありがとうございます。


今まで。

フィジカルを鍛えるマシーンは沢山ありましたが。

何でも。

今回あなた方が開発されたのは。

メンタルの方を鍛えるマシーンと言う事でね。

大変な話題の商品になっております。


ありがとうございます。

ご好評頂けて何よりだと思っています。

メンタル増強マシーンと言いまして。

アスリートの方達で。

例えば。ここ1番での勝負強さを養いたい。とお考えの方々や。

将来起業を目指している方々。

あと割と。大企業の管理職の方達ですかね。

ライバル会社との競争に負けない。強いメンタルを養いたい。と言う事で。

ご購入頂いている事が多い様ですね。


そのメンタル増強マシーンを。

本日はこのスタジオにお持ち頂いていますが。

2種類あるんですか?


そうです。

今現在あるのはこの2種類ですね。

家族型AIロボットで。

メンタル増強マシーンとして。

オーナーになって頂いた方のメンタルを鍛えて行く事に。

大変特化した商品となっています。


見た目は凄く可愛いらしいですね。


ありがとうございます。

一応。大きさとしましては。

幅255ミリ。高さ430ミリ。奥行き255ミリ。となっています。重量は3キロですね。

色の黒い方が男の子型のジョアン。

赤い方が女の子型のユーコ。

と言う名前が付いています。


まあ。可愛いらしい。

名前まで可愛いらしいのね。

あと充電の方でも大変画期的になっていると。お聞きしましたが?


そうですね。

従来あった家族型AIロボットと同じ様に。

充電器を使った充電と言うのはもちろんですが。

ジョアンとユーコの背中には小型ソーラーパネルが搭載されています。

ですから。彼等は自己発電が出来るので。

あまり充電器を必要としなくなります。


まあ。それは素晴らしいですね。

電気代はほぼかからないと言う事ですものね。


そうです。

ですから。これから先を考えて頂いた上で。

大変リーズナブルな商品になっていると思います。


大変。下世話な質問になると思いますが。

この子達のお値段の方は幾らぐらいなんですか?


今現在。

1体で349,800円。

2体セットで657,800円。

となっています。


なるほど。

ですが。これから先ね。

今までの自分と決別して。

メンタルの強い新たな自分を手に入れる為だと考えれば。

安い投資なのかもしれませんね。


ありがとうございます。

そう考えて下さるオーナーの方々が多数いらっしゃった様で。

現在ご好評頂いております。

もちろんこれから先。大量生産の方がどんどん進んで行けば。

値段の方もどんどん下がって行くとは思いますが。


そうですか。

ですが。最初だけね。投資してしまえば。

維持費としての電気代はほぼほぼかからないと言う事ですからね。

大変お買い得な商品になっていると思います。

この先。何十年も一緒に過ごして行く事になる訳ですからね。


そうです。そうなんですよ。


今。このスタジオにいるこの子達。

大変可愛いらしいのですが。

目はずっと閉じたままですね。


そうですね。

まだ起動させていませんから。


起動させるにはどうしたらいいんですか?


大変。簡単ですよ。

起動させるには。彼等の背中についている起動スイッチを押します。

そうすると彼等はこの大きな目を少しずつ静かに開けて行きます。

そして目の前にいる。自分の主人となるオーナー様の目を数十秒間見つめ続けます。

虹彩認証システムによって彼等は誰に仕えて行くのかを認識し。

これから自分のターゲットとなる相手をロックオンするのです。


目覚めた後は?

この子達はどんな風にするのですか?


そうですね。

とりあえず辺りを自由に動き回り初めると思います。

AIで自分の動ける範囲とかを徐々に理解しようとし始めると思います。


まあ。

それでは自宅に帰ると。

この子達が部屋の中を自由にチョロチョロと動き回ってるの?


おそらく。

そう言う状況になっていると思いますよ。


まあ。素敵だわね。

この子達はしゃべったりとかはしないんですか?


もちろん。しゃべりますよ。

AIによって。

自分の主人がどの様な言葉を必要としているのか?

その言葉はこの状況。このタイミングで本当に相応しいのか?

その様な事を。彼等は自分で判断してしゃべる様になります。

それは日々学習して行くのです。

自分の主人と一緒に過ごして行く時間の中で。


まあ。

本当にお利口さんなんですね。


ですから。

オーナーになって頂いた方々にご購入頂き。

起動スイッチを押して頂いた後。

彼等がどんな人格として育って行くのかは。

我々開発者にもわからないのです。

彼等は。

自分達が求められている役割を。

まず自分の主人を見つめて。

自分が置かれている環境や状況を独自に判断しながら育って行きます。

ですから。

最初は同じくして製造した個体であっても。

ご購入して頂いたオーナーの方によって。

全く違った個性を持った個体として育って行きます。


まあ。

本当に人間の子供の様ですね。


そうです。

正しく。我々がまず最初に目指して開発をして行ったのは。そこですから。

とにかく。

オーナーになって下さった方々は。

起動スイッチを押した瞬間から。

彼等にずっと見られています。

充電が切れて。システムダウンすると言う事もまずありませんから。

オーナーの方が部屋でくつろいでいる時も。

シャワーを浴びて髪の毛をドライヤーで乾かしている時も。

テレビを見ている時も。

食事をとっている時も。

そして眠っている時も。

彼等は自分の主人を見続けています。

常に自分の主人の目を見て。

顔色を伺っています。


なるほど。

オーナーのその時の立ち振る舞いで。

常にこの子達の立ち振る舞いも変わって行くと言う事ですね。


そうなんですよ。

ですから。我々開発者も。

その個体がどの様に育って行くのか?

全く予測がつかないんですよ。


まあ。でも。とにかく子達はね。

起動スイッチを押された瞬間から。

自分の主人の為に一生懸命働こうとしてくれてる訳ですよね。


そうです。

その忠誠心は。

自分が壊れてしまうか。

自分の主人が死亡してしまうか。

その時まで基本的には変わりません。


具体的には。

この子達はオーナーの方達の為にどの様な事をするのですか?


そうですね。

常に自分の主人。オーナーの方ですね。

その方のメンタルを鍛えて行く為のアシストをして行きます。

その方法と言うのは様々で。

その時に1番相応しいと思うやり方を。

彼等は選択して行くと思います。

例えば。

オーナーの方にハッピーな事があって。

ウキウキしながら自宅に帰り。

リラックスしてソファーに座っていると。

オーナーの方に対して。

突然ジョアンが。

こんなの今だけだよ。とか。

本当にそうかな?とか。

ネガティブな事を耳元で囁いて来たり。

あるいは。

オーナーの方が自宅に戻って来ると。

部屋は真っ暗で。

その片隅でユーコがシクシクとただただ泣いていたりと。

報告されている例は。本当に様々です。


なるほど。

我々の予測がつかない言動を。

常にとって来ると言う事ですね。


はい。そして。

彼等にはWiFi機能も搭載されていて。

常にインターネットと繋がっています。

ですから。

最新のニュースや話題を引用しながら。

オーナーの方にネガティブな発言をして来たりする様です。


まあ。

では。この子達の発言から新しい情報を得る場合もあると。言う事になりますね。


そうです。ですから。

オーナーの方達は後から彼等の言っていた真意に気付くと言う事も。多々あると思います。


なるほど。

この子達の方が常にオーナーの方よりも新しい情報を知っている訳ですからね。

他には何か。

この子達の特徴的な所とかはありますか?


そうですね。。

もちろん。まだまだあるのですが。

その一例としては。

彼等は内臓されているインターネットで。

半径3kmぐらいであればゆうに。

自分達と同型の個体を認識し合う事が出来るんですね。

そして。

知識や経験も共有し合います。

その結果。

大変仲間意識だとか。同族意識の強い個体として育って行く様です。

その傾向は月日が経てば経つ程深まって行く様なんですよね。

この傾向も。

我々が開発当初には意図した物ではなかったのですが。

結果として。

この様な傾向が報告されています。


この子達の起動スイッチを押した後は。

どの様な結果になるのか。

本当に誰も予測がつかないと言う事ですね。


はい。そうです。

開発した私自身も。

正確な予測と言うのは全くつきません。

また。ある一例としてお話すると。

数ヶ月前。ある高層マンションのベランダから。あるオーナー様が所有していたジョアンが誤って転落してしまい。損壊してしまうと言う事故があったのですが。

その情報をキャッチした近隣に住む別のジョアンとユーコ達が。

その事故現場に弔問の為。

正確な数と言うのは把握出来ていないのですが。約30体ぐらいは集まって来たそうです。

そしてそれは5日間ぐらい続いたそうで。

数ヶ月経った今でもたまに。事故現場付近をウロついているジョアンとユーコが目撃されています。


まあ。本当に仲間意識が強いのね。

例えば。ジョアンとユーコちゃんのどちらかでは無く。

両方とも所有した場合はどうなりますか?


一体でいる時より更に何倍もタチが悪くなります。

あるオーナー様からの報告なのですが。

ストライキと評して2体とも3日間もの間。全く何もせず充電器から離れ様としなかったり。

どうも2体で一緒に作ったらしい。

社会的なメッセージ性の強い歌を。

何か事あるごとに2体で一緒に歌い始めたり。

挙げ句には。

お前は現状のこの社会に満足しているのか?

何故もっとより良い社会を作る為の行動を起こさないのだ?

とか。

このパンデミックの中。現在の政府の対応に満足しているのか?

などと。

しょっちゅう。けしかけて来るようです。


まあ。凄い。

2体揃うと。オーナーの方にストレスを与える為に。

そんなに激しいアクションを起こして来るのですね。

ですが。

このストレス社会の中で勝ち残って行く為には。

それぐらい強い負荷が必要になって来るのかもしれませんね。


確かに。そうかもしれませんね。

開発者として。私が思うに。

まだ実際にはその様な報告は受けていないのですが。

可能性の話として聞いて下さいね。

捉え方は様々だと思いますが。

15年とか。18年とか。経った後に。

もしかしたら。

突然ジョアンは。

旅に出たいと言い初めるかもしれません。

インターネットのヴァーチャルな世界では無く。

僕は本当の世界が知りたいんだ。とか。

本当の自分を探したいんだ。とか。

言う様になるかもしれません。

突然そんな事を言われても。

オーナーの方達はただただ戸惑うしか無いでしょう。

ですが。実際にはわかりませんよ。

言うだけで。結局は行動には移さないかもしれません。

なのですが。

ジョアンとユーコのその言動の真意と言うのは。

全ては自分達の主人の為に。

自分達の主人のメンタルの増強を更に考えての言動なのです。


まあ。でも。

突然そんな事言われても。

オーナーの方達は本当にただ動揺するばかりですよね。


もちろん。そうなると思います。

ですが。

実際には今のところ。

その様な報告は我が社にはありません。

どうか。これはあくまで私の個人的な懸念として聞いておいて頂きたいのです。


なるほど。

そう言う事が。

将来的に起こりうる可能性が充分にあると言う事ですね。


はい。そうです。

何せ予測が全く不可能なものですから。


なるほど。なるほど。

ですが。

だからこそ。

この子達と一緒に過ごして行く日々は。

それこそ予測の付かない。

刺激に満ちた日々が送れると言う事なんでしょうね。


ありがとうございます。

その点を良く理解頂いて。

正しく。

そう言う意図なんですよ。


本当にね。

全く興味と話題の尽きない。

ジョアン君とユーコちゃんのお話をお伺いして来ましたが。

どうやら。

お時間の方が来てしまった様です。

では最後の質問になりますが。

あなたはこの先どの様な物を開発して行きたいと思っていますか?


そうですね。

アイデアとしては色々とあるのですが。

とにかく。

AIを利用した豊かでより良い人間社会を作って行ければなと思い。

日々研究を重ねています。


なるほど。素晴らしい。

あなたと。

あなたの会社のご活躍を祈っております。

本日のエツコのアトリエ。

スペシャルゲストは。

株式会社ストロンガー代表取締役。

ジェシーベストさんでした。

本日はお忙しい中。

大変ありがとうございました。

日本人の奥様にも。どうぞ。よろしくお伝え下さいませ。


ありがとうございます。

本日はお招き頂き。

本当にありがとうございました。


いかがでしたでしょうか?

本日のエツコのアトリエ。

また今回もね。

楽しくて興味深い話を沢山聞けたのではないかなと思っております。

私はね。

このインタビュー中に思っていたのですが。

もし仮にね。

十何年も一緒に連れ添って来たジョアン君とユーコちゃんが。

突然ね。部屋からいなくなってしまったら。

その時になって初めて。

オーナーの方の方が思い知らされるのではないのかな?と思ったんですよ。

自分探しをしていたのは。

オーナーである自分の方なのではなかったのかな?

と言う事に。

まあ。ですが。

相手は開発者ですら。とにかく予測不可能な子達ですからね。

ただ今の時点でね。

間違い無くわかっている事は。

実際には。

あの子達と共に生活をしてみなければ何もわからないと言う事です。

さあ。

今回は久々に砧スタジオの方に戻って来て番組をお送りしました。

帰りにね。

このスタジオの近くにある。

私の行き付けのネコカフェにね。

久々に寄って帰ろうかなと思っております。

私の推しネコ。

ジュリアン君は今日も元気にしてるかな?

それでは皆様。

本日もエツコのアトリエ。

最後までご視聴頂きありがとうございました。

また。お会いしましょう。

ご機嫌よう。


ラーララ ラララ ラーララ 

ラララ ラララララー


                 CM













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エツコのアトリエ チャンネル 新倉敷 デュオジェット @black1ring

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