その7.ただの書き散らし

 不思議なもので、人生というのはよくできているものだ。


 いけるだろうと踏むたびに、何かが間違っていたようで、うまくいかないことばかりだ。時には躓いて起き上がるまでに時間がかかるし、時には本当に取り返しのつかないことになる。

 川遊びをしていたら深みにはまってしまったみたいに、抜け出すことに精一杯だ。


 けれど、もう駄目だな、と思う時に限って声をかけてくれる人がいる。答えてくれる声がある。思いの外、まだまだ道はあるもんだとふと思う。


 その一つ一つに出会うたびに、一喜一憂する毎日です。


 月は同じ海をいつも見せますが、そこに思い浮かべる想いは毎日違うものでしょう。それと同じものでしょう。


 


 思い返せば、結局のところ自分の行いが返ってきているだけなのだろう。

 よく覚えていることや、もう忘れてしまったことの、その一つ一つが自分の敵であり味方なんだろう。そう、ふと思う。

 万物は流転し、インガオホーの世の中だ。自ら起こした一つ一つが、なるようになるさ。

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朱夏に向かう日々の置き場 高坂 吉永 @Asagirilei

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